大分県地域医療支援センターの医師確保に向けた取り組み

大分県は人口10万人あたりの医師数が260.8人(2014年度)で、全国平均の233.6人を上回るのが特徴です。県全体では医師が十分足りている状況といえますが、都市部への偏りが大きく、他の地方と同様にへき地では不足しているのが実情です。このため、大分県では地域医療支援センターを開設し、医師の確保に努めています。

大分県地域医療支援センターは、地域の医療実態を把握・分析し、医師の偏在解消を目的として設立されました。6つの事業を柱にしており、医師のキャリア形成や医療機関の支援を実施しています。

  1. 地域の医療機関の体制・現状の分析と情報提供
  2. 地域医療研修会の実施
  3. 医学生を対象にした地域医療のセミナーを実施
  4. 現役医師に対するキャリアアップ支援
  5. 総合相談窓口の設置(Uターン相談窓口など)
  6. 病院などで働く医師の配置調整

へき地の医師不足改善や、県内で働く医師への支援などを行っています。また、県外で働く大分県出身の医師に対して、Uターン相談窓口を設置しているほか、退職した医師の復職にも力を入れています。センターによる包括的な支援を受けられるのが大きな強みといえるでしょう。

医師の無料職業紹介を行う「ドクターバンクおおいた」

大分県では、転職・復職などを希望する医師に対する職業紹介も実施しています。その役割を担っているのが「ドクターバンクおおいた」です。県内の医療機関と医師のマッチングを行う事業で、医療政策課が実施しています。病院などの医療機関から医師の求人情報を募集し、登録した医師へ条件に合致した医療機関を紹介・斡旋する仕組みです。マッチング成立後は、医師が直接医療機関と雇用契約を結びます。

ドクターバンクおおいたは、県が医師と医療機関の仲介役となるのが特徴です。また、自分の条件に合致した医師の求人を紹介してもらえる点がハローワークと異なります。紹介料は発生せず、求職登録票を送付すれば県外の医師でも登録できます。求人情報は県のホームページ上で公開しているため、興味がある方は募集を探してみると良いでしょう。