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平成20年度 第3回議事概要
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日時 平成21年2月5日(木) 15:00~17:48

場所 (財)地域総合整備財団 1階会議室(東京都千代田区平河町2-5-6)

出席者

委員

 杉並区 政策経営部企画課 行政管理担当係長 今井 一

 首都大学東京大学院 教授 大杉 覚

 財団法人地域総合整備財団 常務理事 小川 登美夫

 神奈川県立保健福祉大学 教授 河 幹夫

 総務省 自治行政局合併推進課 行政体制整備室長 吉川 浩民

 倉敷市 総合政策局企画財政部 行政経営課 渡邉 直樹

議事次第

1.開 会
2.議事
  (1)事例報告
  (2)市場化テストの分類
  (3)地方公共団体の市場化テストに関する問題点等の整理

  (4)報告書の取りまとめについて
  (5)今後の情報発信等について
3.閉会


1.開会

2.議事
(1)事例(南牧村、東京都、宗像市)報告
事務局

事例①:野辺山出張所業務に係る民間競争入札(長野県南牧村)
<概要>
* 本事例は、公共サービス改革法に基づく市場化テストによるもの。
* 行政の人員削減計画やその組織を縮小する目的で適用。
* 村に1か所だけの出張所に公務員が張りついていたが、これの人員削減、民間の創意工夫ができないのかということで導入を図ったとのこと。
* 官民競争入札でない理由としては、既に本事業での人員削減案があったと伺っている。
* 落札した会社は、村が100%出資している第三セクター「南牧村振興公社」。
* 入札は、ほかに2社が参加した。1社は資格要件で排除。もう一つは、佐久市内にある人材派遣会社。最終的には競争で公社が落札したという結果。

<業務の質の設定>
* 「適正な受付」と「適正な引渡し」ということが条件。しかし、数値的な質の基準は設定できなかった。質の部分については定性的な整理にとどまっているという。

<現時点での効果>
* 人員削減計画に基づいて行ったため、公務員の出張所への張りつきがなくなっ
た。
* 庁内での職員の適正配置ができるようになった。民間事業者でも行政の窓口業務が実施できるのだということの確認ができた。
* 公社が地元で人を雇用している関係で地元雇用も拡大したのではないか。

<課題・問題点等>
* 窓口6業務以外に、児童手当の現況届の受付をやっているが、これを実際に民間が行っても良いのかという判断が明確ではない。
* 法律に基づく業務については、民間事業者に対して守秘業務、監督規定、みなし公務員ということで罰則規定等が適用されるが、児童手当の現況届の受付に関しては、そういった対象にならない。したがって、これらの制度の充実が必要になってくるのでは。
* 指定管理者制度との一体的運用。実際に窓口業務を実施している建物が公民館的な機能も果たしており、公民館の指定管理者として株式会社南牧村振興公社が担っている。本事例では偶然に指定管理者制度とこの窓口業務運営者が一体になったが、これが仮に別の会社が実施する場合、施設の管理運営と業務ということでの一体的な運営に何か支障が起きるのではないか。


事例②東京都の東京都版市場化テストモデル事業(東京都)
<導入経緯>
* 東京都の「行財政改革実行プログラム」において、行革手法、また民活手法を
検討し、「東京都版市場化テスト」の本格導入を推進している。
* 本格導入に向けて、様々な事柄を検証するためモデル事業として、都立職業能
力開発センターが運営している求職者向けの公共職業訓練を官民競争入札で実施した。

<対象事業の選定>
* 東京都が実施する事務事業に対して民間からの意見を募集し、16件の意見があがった。これらについては、既に委託済みのものや、今後委託に出すことが規定ルールで決まっていたものもあり、あえて市場化テストにするにはなじまないのではないかという結論に至った。
* 民間からの意見にあった対象業務から漏れた業務についても、監理委員会から
引き続きどのような対応をしていくのかの検討状況を公表することを約束している。

<モデル事業として選定した理由>
* この業務が対象になった理由は、厚生労働省の法解釈によって、公共が実施す
る職業訓練における民間開放が進んでいかないという問題意識があった。また、既に専門学校等で、この業務を実施する民間事業者が多く存在していることが把握できた。さらに、技術専門学校が多数あり、技術改善の提案や波及効果が得られるのではないか、民間の創意工夫の発揮しどころがあるのではないかというところが理由となった。

<契約期間>
* モデル事業のため単年度実施。しかもこの単年度というのは1年間とではなく研修のある数か月間を実際には委託したという状況になっている。


<実施にあたり苦労した点>
* 庁内で、官民競争入札実施について、検討をどのように進めていったらいいのかが難しかった。
* フルコスト算出における事務負担が非常に大きい(ただ、東京都の場合は発生主義的な会計ということで複式簿記を導入しているということで、これからすべてのものについて民間並みのフルコストでのコスト把握をしていくという。よって、将来的には解決される課題ということであった)。
* 情報遮断措置を設けるとともに、違反した場合の措置を講じている。
* 入札参加部署における進捗状況の管理。

<明らかとなった問題点>
* 情報遮断措置の課題ということに関しては、入札実施部隊がその業務に関する専門的な知識を持っているわけではないので、落札者の評価が非常に難しい。また、事業担当部局がモニタリングをやっていくことになったときに、実際に評価をしたのは事業担当部署ではないので、経緯がはっきりしないでモニタリングをするということについて大丈夫なのかが心配。
* 多少感情的なものも含まれるが、実際、自分たちがやっていた業務に民間が参入してきたため、自分で選んだものではないものを管理していかなければいけないことに、担当者として矛盾というか、複雑な部分があるのではないか。
* 多大な事務負担。コストの算出、入札の実施等に関して非常に手間がかかる。また、実際に入札をするというだけではなくて、その準備に関しても非常に時間がかかる。X年に入札をするということであれば、予算や定員の措置ということで、X-1年目に債務負担をとっておかなければいけない。それもX-1年の中間あたりで作業を終了し予算措置をしておく必要がある。よって、実際にその効果が出るのはまたしばらくたってからで、手続と期間の長さが問題になる。
* 都側の提案における制約。官が入札する場合、今まで自分たちで行ってきた業務を変化させ、目新しい提案をすることに、今まで実施してきた業務との関係で、どのように対応していけばよいのか難しい。

<今後の課題>
* 行革サイドが嫌がる現課に無理やりやらせるのではなくて、自ら改革のために使っていけるような制度設計にしていきたい。
* 市場化テストにふさわしい業務はどういうものなのか。単なる民間委託とは違うのが市場化テストではないかという問題意識に立つと、実施にあたっては具体的に示していかなくてはいけないのではないか。よって、どういった業務があるのかということが課題になってくるのではないか。

<その他>
* 東京都として、市場化テストはうまく利用することで究極の行革ツールになると考えている。今までは人員の削減、コスト圧縮ということで「量の行革」を行ってきたが、市場化テストによって、「質の行革」にシフトしていくことを実現していく必要がある。
* 民間事業者などの提案者の意見・ノウハウに対してのインセンティブを何か考えていかなければいけない。現在、新たな制度に向けての検討を行っているとのこと。


事例③宗像市市民サービス協働化提案制度(福岡県宗像市)
* 公共サービス改革法に基づく市場化テストというよりも、佐賀県の協働化テス
トに近い事例。
* 非常に制度的にも充実しており、情報公開という意味でもホームページでかな
り積極的に情報公開をしているということで今回事例として挙げた。

<導入経緯>
* そもそも「行革」が目的ではなくて「協働」という視点が目的。当然、協働化していく中で経費削減も実現していくということで制度運営を行っているとのこと。
* この自治体は、ベッドタウンということで、大きな企業がなく、法人税も期待できない。よって、いろいろな意味で経費削減といったものに努力していかなくてはいけない。従来から非常に積極的な民間活力の活用、民間委託といったようなものを実施しているとのこと。
* また今回「協働」という意味では、市長が公約で「市民との協働」を挙げていて、それを実現するための何か手段をつくっていく必要があった。
* 市内にはボランティア団体だけではなくて、市民活動団体や地縁の活動団体もたくさんいるということで、従来のアウトソーシングが民間事業者と民間企業が対象だったのだけれども、こういったボランティア団体、地縁団体と協働・連携しながら業務をしていくことの発想が1つあった。
* この制度の導入と並行的に、住民はどういった役割をしていくのかというような住民の自治基本条例もつくったとのこと。


<制度運営の現状>
* 制度のPR。まずどういう制度で、何を実施するのかを理解してもらうために努めた。具体的には、広報誌掲載、市役所内での事業全業務のファイルの一覧を提示、コミュニティセンター、図書館といった公共施設に情報を提供・閲覧場所設置など。
* 平成19年から実施。そのときの応募としては、50~60件ぐらい問い合わせと意見があった。情報の公表がわかりにくい、役所の仕事が紙に書いてあるだけではなかなかわからないという指摘があった。
* この50~60件あった中から、平成20年度の採用としては8件。
* 市民からの反応について、民間が公共サービスを提供することに、心配だといったような苦情やクレームは特にない。その背景としては、従来から民間委託を積極的にやってきたということが要因と考えられる。

<特定提案事業の設定>
* 業務一覧だけを見ても、なかなかわかりにくいというような指摘が非常にあっ
た。したがって、今回はどういった部分に積極的に提案をしていただきたいのかということで、特定提案事業という枠を設けて、なるべく市民の方にわかりやすい、また事業に対して提案がしてもらいやすいような措置をした。

<協働事業・協働相手の選び方>
* 提案対象ですが、ここが佐賀県と違うのだが、提案については、既存の事業だけに対して受け付けることにしているということ。それに加えて新たな提案をする場合には協議をするということだが、コストの中でそれができるということであれば原則実施可能にしている。
* コストに関しては、この行政の管理部門の人件費も含めてフルコストの開示をして、これと民間あるいは住民が実施したときのコストを比較している。
* 協働相手の選定方法としては、まず最初の募集は市民団体からだけ受け付ける。なぜかというと、市民ができるところについては市民にやってもらうという、協働の観点から。一次募集があったものについては市民団体で、二次募集はそれ以外のところについて、民間事業者が応募できるという仕組みをとっている。

<契約期間>
* 最長で4年。契約に関しては、随意契約が原則。実質その提案を行った団体と
随契ということで整理がされている。
* ただ業務上、官民競争でやったほうがいい、あるいは窓口6業務について提案
があった場合は、市場化テストも導入可能という制度の仕組みになっているが、現状そういった指摘やニーズはなく、行革サイドでも市場化テストをやろうという話はない。

<サービスの水準>
* 数値的な基準といったもので明確になるものがあれば、仕様書に表記するが、ないものについては定性的な整理で終わってしまっているということ。
* 行政から提示できる公共サービスの質では、市民に公表している一覧表の詳細
シートがあって、こちらのほうを見て把握をしてもらう。
* 実際の協議の段階で明確化しているということで、実際、業務の担当者がそれでいいのかどうかということを評価しているということ。実際サービスの質については、実施している人によるというか、公務員がサービスの基準の1つの目安になっているということ。
* サービス水準については、ほかの委託業務でそこまで細かくサービスの質にこだわってやっているわけではないのに、協働化の仕組みだけ、それを求めるというのは整合性の観点でどうなのかというような議論があって、今後明確にする必要があるのではとのこと。
* 協働化については、制度を運営しながら、わからないところは走りながら考えていくというやり方でいいのではないかというのが担当者の考え方。

<モニタリング>
* 今は厳格なモニタリングの基準があるわけではない。担当課の担当がチェックをしているということ。特に第三者機関的なもので評価は検討しているが、まだやっていない。これもどこまで評価するのかといったようなところが議論になる。
* 実際に、民間でなくて市民が実施した場合に機能しているかどうかということについては、公表していかなくてはいけないということで、評価の仕方は今後の課題。

<課題など>
* 既にかなり多くの業務を民間に委託しているということで、残っている、また、市民ができるというようなことになると非常に細かな部分の業務が中心になってくる。それでは、細切れで委託というような形で出て行くと管理が大変で、実際委託料が増えていってしまっている。現状は予算枠をつくって、その範囲内で対応ができるようにしているが、管理などの手間を考えると非常にコストが発生するので、この対応策を考えなくてはいけない(大きなものが委託できれば、人件費を大幅に減らせるが、小さいものばかり出てくると、人は減らずに管理の手間ばかり増えるという点が問題だということ)。
* 走りながら詰めていく、発見していくというようなイメージでやっていると、出たところでなかなか事前に想定できない。本事業は、担当者1人でやっているので、事前にすべて網羅的に把握できないことがある。問題が上がってきたら、それを1つずつ現課とその提案をしてきた人と検討していくということで、成功事例を重ねていくようなイメージでやっているということ。

(質疑応答)
Q (小川委員長):先に報告書の全体像(イメージ)を話したい。「公共サービス分野における官民連携の動向」で、総論、問題提起としてまとめる。「導入状況」は表として掲載する。「具体的事例の紹介」については。
A (事務局):1回目、2回目の研究会で紹介された事例と今回、事務局から紹介した事例となる。

Q (小川委員長):それらの事例をタイプⅠ、Ⅱ、Ⅲと分類し、分析を行う。さらに、導入にあたってのポイントの整理、今後の動向・普及に向けた取組みについての提案となっている。とりあえずポイントの整理が資料3、論点と課題となっているのか。
A (事務局):その通り。

Q (小川委員長):論点と課題は、事例に即して言うのか。
A (事務局):論点については、各事例をおさらいした上で、最初に共通的な問題点を整理する。

Q (小川委員長):個人的に、住民との協働が中心の事例には違和感がある。これは、本研究会で情報提供を考えているものとの少し距離があるのでは。否定するものではないが、参考として提案制度があるというまとめぶりのほうがわかりやすいのではという感じがするのだが。なぜならば、宗像市の事例では行政コスト減らないと言っている。市場化テストというのは行革だと思う。市長の公約の実現のためにやるのであって、場合によってはコスト多くかかってもいいというと、そこはずれがある。ただ、全国の地方団体に参考になるような情報提供するという立場から言うと、行革の範囲である程度まとめても良いのかなという感じはするが、どう思われるか。
A (吉川委員):佐賀県もまさにおっしゃるとおりで、コストは必ずしも下がらないという立場だ。そこは、ただ行革という言葉の意味になってくるだろうと思う。なので、定義を整理していただければと思う。佐賀県では特に協働化テストに関しては「住民満足度」ということを強調していて、そこは必ずしもコストが下がったからいいというものではないという前提で、今、委員長おっしゃった、まさにコストのところが重要なのだということであれば、そういう整理でやっていただければ良いと思う。

Q (小川委員長):情報提供した中身または、括りとしてどうなのか。いろんなバリエーションがあって良いが、行革、1,800団体にとって行革というのは通常コストが減ることなのではないか。
A (吉川委員):極めて重要な要素であると思う。
*(小川委員長):むしろ逆に、必ずしもコストが減るわけではないが、という書き出しで2つを紹介してあげるとすごく理解が正しくなる。
*(渡邉委員):多分、来年度は税収が非常に不安な時期になってきてしまったので、恐らくコストカットに視点が向くというか、必ずしも良いとは思わないが、やむを得ない状況になっている。
*(小川委員長):都道府県レベルでは数年前から厳しい状態。現在、市町村にも影響が出始めた。
*(大杉委員):確かに事例の中で、佐賀と宗像の位置づけは載せるとしても、ほかのものと少し違えてと言うか、区別してというのがあるかと思う。この研究会自体が「官民連携(市場化テスト)」というところが非常に微妙なところで、でも市場化テストというところに焦点を当てて、市場化テストの範囲をどこまで考えますかという話と、でも「官民連携」というのが一応先に来ていて、官民連携というものをどういうふうに考えますかというところでもまたちょっと違いがあろうかと思う。そういう意味では、佐賀、宗像を一段落としてというよりは並びにはあるでしょうが、確かに何を実施するかというときに、コスト面であるのか、協働なのかというのは、これはやっぱり違いがあると思う。
*(河委員):「協働」というのはおそらく別の価値だと思う。協働の価値というのは、極端に言えば政治学の価値だと思う。したがって、商品の意義論と私はずれていると考えるが、ずれているから書くなという意味ではない。広い意味での政治学、あるいは自治体運営学のような視点から行政改革という課題もあるし、市民参加という視点もあるだろうし、いろんな課題があるものを並べていった中にどうつなぎ合わせるか。ただ、それは、政治学の価値と商品の価値を並べてみて、どっちがウエートを高くするか、それこそまさに政治学になる。
参加や協働など、「市民の顔が明るくなった」というのは、良いことだと思うが、市民の顔が明るくなるために公共サービス改革法があるかもしれないし、ないかもしれない。それは直列しないかと思う。自治体運営において、市民参加というのは物すごく大事なので、それはそれで当然にするべきだと思う。が、それを評価基準にするのは難しいかと思う。
*(小川委員長):概ね異質の部分があるのは共通認識だと思う。だから地方団体1,800団体の現場では、サービスの価値というだけの話ではうまくいかない。地方自治は、現実の政治の場に、まさに身近な政治の場である。
 そうすると、当研究会では市場化テストだけでなく、様々な事例を通して情報を提供する。
*(河委員):入り口の議論では、協働について語ると混戦する。よって、出口を多様化する。

Q (大杉委員):今後も、これに関する研究がまた別の段階であるということではないか。では、今回の報告書がどういう性格を持つものなのか。例えばこれを全国の自治体に配布し利用してもらうためには、出口論をある程度考える必要があるだろうし、最初に検討するのであれば、入口論に焦点を当てる。ただ、今までの3回の事例研究会では、研究会のタイトルどおり、事例を見てきたので、なかなか深い情報提供は難しいのではないか。
A (小川委員長):配布して、皆さんと一緒に考えましょうというのが目的。よって、あまり深くなくて良いのではないか。
A (大杉委員):他の研究会では、必ずしも市場化テストに限ってはいない。指定管理者なども含まれる。なので、どこまで詰めるかは別として、入口論で、こういうものもあるのだということ示すことは意味のあるのではないか。
*(河委員):サービスの価格論はどう実施するのかという議論と、それを役所などの関係でどのようにチェックするのかなど、いくつかのパートが関連していると思う。官民協働が良いかどうかわからないが、様々な地域社会にあるエネルギーを吸収することによって効率化するというような概念は入れても良いと思うが、全体を比較するとちょっと混乱するのではと懸念している。

*(小川委員長):地方団体から見たときには、法律そのものを使うのは最初から6業務と決まっている。しかし、現場では、業務のプロセスの中で判断しているのではないだろうか。
*(河委員):官民競争入札、入札や随契を利用するのが良いのかどうか。自治体においては、随契のほうが、実は良いのではないかと思うところがあっても私はおかしくないと思う。



(2)市場化テストの分類
<事例毎の特徴>
* 市場化テストの事例を最狭義のものから最広義のもので分類した。最狭義のものは市場化テスト法に基づく事例、一番広いのは佐賀県等の協働化テストのようなものということで挙げたが、実施する中で、必ずしも狭義だとか広義だとかというような整理に意味があるわけではなく、どういうところが使えるのか、また自治体の判断によってこういうやり方があるのではないかということで、整理することが望ましいと考えている。

<対象範囲>
* 対象事業の範囲については、先ほどの最狭義、狭義という話になるが、特徴的なのは佐賀県で、新たな分野も含まれるという概念整理がされている。
* 一方、南牧村を除くほかの事例については、別の視点が入るが、事業評価、政策評価で使っている事務事業評価の情報を対象に情報を公開し、そこの中から対象を決めるという取組み努力をしている。南牧村は、特定公共サービスということで、法律に則っている非常に限られた部分の対象であった。

<意見募集>
* 対象の範囲から事業を選出する際に意見募集という過程がある。概ねすべての事例について、全事務事業を公表し、意見募集という過程を踏んでいる。
* 倉敷市の場合、事務事業を対象に仕分けをし、民間の意見など、その事業ができるのかどうかを確認しているという点で、意見を聞いているとのことだ。
* 南牧村も法律の整理上、意見の募集とあるが、非常にあいまいなところではある。が、制度に則って実施しているので、「有」となるのではないか。特定公共サービスについての意見を聞いているのかどうかでは実施していると整理している。

<事業選定>
* 対象事業を選定する際に客観的な視点を設けたか、第三者機関が関与して公平性や透明性を担保しているのかどうか。あるいは、自治体内部で決めているのか区別が出てきたということで、愛知県でいうと、第三者機関を入れている。佐賀県の場合は、最初は地方公共団体で実施していたのを、今年度からCSO・市民団体を入れて一緒に業務・事業の選定をしている。東京都は、第三者機関を入れて事業についてチェックをした。あと、倉敷市が、導入可能性調査を実施しているが、地方公共団体の内部でやっているということ。杉並区は第三者機関を入れている。南牧村と宗像市は自身でチェックしている。
<事業者選定>
* 事業者選定時の視点として、官民競争入札と入札がある。また、民間競争入札を南牧村で実施している。南牧村については法律に則っているので、法律に基づく民間競争入札の手順を踏んでいる。

<事例から整理した4つの特徴>
* 公共サービス改革法活用の有無。
* 行政の業務全般に対する意見の募集。
* 担い手の判断手法。(官か民かどのように決めているのか)
* 担い手を判断するときに第三者による公平性・透明性の確保をしているのか。

<市場化テストの3つのタイプ>
* タイプⅠ:公共サービス改革法に基づく特定公共サービスを対象とするもの
* タイプⅡ:第3者機関の審査を踏まえ官民競争入札などを実施するもの
* タイプⅢ:アウトソーシングを前提として、現状地方公共団体が実施している業務に対する意見を求め、担い手の判断を行うもの(例:宗像市、佐賀県のようなもの。)
* 意見募集の仕方、公表の仕方は様々だが、公共サービス全体に対して客観的視点、第三者的な観点から意見募集している。それに基づいて民間か官かを決定する。決まった業務については、通常の自治法に基づいて入札か随契を決める。
* 市場化テストの事例整理の仕方によって、様々な情報を示したほうが参考になると考える。
* 公共サービス改革法の制度趣旨や海外の先進的な市場化テスト事例をみると、市場化テストは単なるアウトソーシングではなくて、公共サービスの質の向上と経費の削減を実現するということで、その実施主体を決める仕組みなのだと考えると、佐賀県や宗像市のようなタイプⅢは、公共サービスの質の向上と経費の削減の観点がどこで担保されているのかが市場化テストの仮に置いた定義に照らして考えると必要になってくる。ここの点については、佐賀県の場合は情報公開を徹底するのだということと、新たにCSOと協働して制度を運営していくというようなことで、経費の削減や質の向上的なところの検討をしているということ。宗像市では、公共内部で実施しているということだが、徹底的に情報公開していく、そのやり方を改善していく。
* 佐賀県の協働化テストは、外部委託ではなく、行政との協働という観点が非常に強く出ている。むしろ協働が目的なのだと思うが、そういう観点から新たな分野、公共サービスの質を高めるために新たな分野にも手をつけていくというような制度設計をやっている特徴がある。宗像市の場合は、民間から意見で、特定公共サービスといったものがあったときには、当然公共サービス改革法も使っていくというような検討もされているということ。若干対象が大きな構えになっているので特徴として挙げられるのではないかと考えている。

(質疑応答)
*(大杉委員):タイプⅠ「公共サービス改革法に基づく特定公共サービスを対象とするもの」は公共サービス改革法に基づくもの、タイプⅡ「第三者機関の審査を踏まえ官民競争入札を実施するもの」、タイプⅢ「アウトソーシングを前提として、現状地方公共団体が実施している業務に対する意見を求め、担い手の判断を行うもの」は、必ずしも相互に排他的なものではない。
*(大杉委員):対象業務を選定する場合、例えば法に基づくかどうか別として、いわゆる市場化テストのコアとなるモジュールはタイプⅡではないか。
*(河委員): 個人的な感覚として、公共サービス改革法の準備事務局のメンバーの考えはⅡ。しかし、多くのところで議論されているのは、タイプⅢが多い。「行政改革」という言葉が割とⅢに使われる。
*(小川委員長) 少しでもベターな情報、役に立ちそうな情報はとりあえずタイプⅡから少し広げていくことではないか。タイプⅢだと、首長の考えによっても左右されることがあるようだ。
*(小川委員長): まずは共通する部分から入る。棚卸も難しい。予算でいうと、ゼロベースというけれども、やろうとしてなかなかできないのはなぜかをもっと研究したほうがいいのではないかと思う。

*(吉川委員):何で市場化テストの手法が、いまひとつ広がってないのかという問題意識がある。そういう中で、まさにこの事例研究の成果を出していただくことによって、これは良い手法なのだということが広まっていくことを私の立場としては非常に期待している。
したがって、佐賀県と宗像市、ちょっと違うというのはまさにそのとおりだが、様々なやり方があるのだということをお示しいただく。タイプⅡで、本当にどんなのがあるのかなというあたり、そしてなぜタイプⅡの形で市場化テストが行われることになったのかというあたりを解説していただくというか、そういったことを是非研究会の報告として、わかりやすく書いていただきたい。
タイプⅢについては、こういう手法もあるというぐらいだが、是非取り上げていただいたほうが良いのではないかと思っている。

Q (小川委員長): 地方団体の導入のきっかけというのは一体何だったのか。法律ができたからということか。
A (今井委員): 勿論ベースとしては、当然法律がある。杉並区の場合は、官については最初から入ってないというのが1つの特徴。なので、タイプ的にはⅢに近い形にはなるかと。Ⅱでは「官民競争」という言い方をしているので、杉並区の場合は、ⅡとⅢの中間ぐらいではないかと思う。

Q (小川委員長):要は民間委託前提の入札ということか。
A (今井委員):そのとおり。区市町村レベルだと、視察が杉並はかなり多いが、行革、アウトソーシングということの手法の1つとして使いたいという市町村にとって、官が入って競争するという感覚はなかなか難しい。

Q (小川委員長):倉敷市はどうか。
A (渡邉委員):倉敷はⅡとⅢを両方やっている。Ⅲは市民企画提案事業という事業、これは前市長の意向によるもの。これは市民団体を育てるとか、一部は行革にも役立っているし、議員の評判も良いと思う。
私たち行革サイドが実施しているのは、タイプⅡ。そもそも3年前、4年前、とにかく集中改革プランなどで、人がどんどん減っていくとことに対して、どうするのかというアプローチで入った。また、税収も伸びないのだろうから、サービスの質を落とさずに、今のレベルのサービスを上げていくためにはどうするかということで、タイプⅡのやり方をやってみた。ⅡまたはⅢでも、同じ自治体で両方実施可能。選択肢としては両方当然あるのだろうし、両方一遍にできるものだと思う。

Q (小川委員長):意見募集はいろんな形でやってはいるのか。
A (渡邉委員):はい。

*(河委員):担当者が苦労しているのは、事業の切り出し方。切り出し方の切り方のルールがない。切り出し方を一番わかっているのは内部部局だと思う。実際やっている人たちだと思うが、それがうまく吸収できるかどうかわからない。そこを外の意見で考える必要があることが、このシステム(特にタイプⅢ)のやり方をどう組み込むかということが課題だ。
*(小川委員長):事務や事業といっても、どこからどこまでかは自分で決めるしかない。まさに事務事業というのはなにというそもそも論からなる。
*(河委員):棚卸という言葉は簡単だが、「違う棚」に入った事務をどのように棚卸するのか。業務を一番良く知っている担当者が判断にするのはおかしいのではないか。

*(渡邉委員):様々な自治体の方から問い合わせがあるが、一番は、何を対象業務に選んだらよいかという質問がすごく多い。さらには、どうやって切り出すか、どうやって決めたらよいかなど。入札手続については、質の評価は難しいが、それなりに総合評価をやるとか、そのプロセスで第三者が入るとか答えられるが、何をやればよいのかと問われて、「それは地方自治体ごとに考えていただく」としか言いようがない。実際に、対象業務の絞り込み、仕分けが物すごく難しかった。だから、入れない(市場化テストに踏み込めない)自治体が多いのかなと。
*(今井委員):ひとつの事業をどこまで切り分けるか、これについてもなかなか現場としては、みえないというのがある。逆に客観的に見て言ったほうがかえって切り分けやすいと言うのは結構多い。都道府県ははっきりとしているが、地方自治体はグレーの部分が多い。いざやってみると他にも出せるという事業がある。


(3)地方公共団体の市場化テストに関する問題点等の整理
事務局 
<論点と課題>
* 論点と課題を下記5つの論点でまとめた。
* ①対象事業の選定。行政サービスの質の確保、公平性の確保、透明性の確保、行政の責任の確保の確認が課題だということ。また、選定をするにあたっての基準をどのように設定していったらいいのかというのが難しい。また、委託に見合う範囲があるのではないか。さらに、担い手が実際にいるのかどうか、存在の確認と、例えば育成をしていくという観点もあるという指摘もあった。そして、議会への説明。実際に実施していく上で、理解の促進を図っていかないとなかなか事業としてうまく切り出せない。
* ②事業者の選定方法。法律にとらわれずに言うと、第三者委員会といったようなものを関与させるのかどうか。また、第三者委員会があるとすれば、その関与のあり方をどのようにしていくのかということで、入札のときのジャッジとしての役割だけではなくて、事業選定やモニタリングの際、第三者委員会を関与させるべきなのかどうかというところの検討が問題というか、課題として挙げられるのではないか。
・ 選定時の基準は、事業者選定時の基準といったものをどういう形で明確化していくのか。質の設定やモニタリングの評価にもかかわるが、事業者を選定する基準が難しいという共通する指摘があった。
・ 業務選定の際、選定する業務に関する知識を有する第三者委員といったものを関与させていく必要があるのではないかという指摘がある。
・ 民間提案を受ける場合、事業者からの提案促進のため、インセンティブもあるが、そもそもどういう形で提案を受け付けるのか、よい提案をしてもらうためにはどういう募集をしたらいいのか、どういうシステムをつくっておけばいいのか。
・ 提案を行う人の人的な工数=時間的な問題。負担軽減の必要性。
・ (民間側からの指摘として)事業者を選ぶ際の公募期間や審査期間が、あまり長過ぎると事業者としては問題がある。
・ 官民の情報格差をどのように是正していくのか。また、官だからといって、全部情報を出してしまうと官民競争にとって、官のほうが不利になるのではないかというような指摘もあった。官民の情報格差の是正をどのように考えていくのか。
*③サービスの質の設定と評価
・ 民間が創意工夫をして提案できる質の設定が問題なのではないか。また、その付加価値や新しい価値観の設定といったものの必要性。またそれを設定した際にどのように評価をするのかという評価の基準も必要なのではないか。
・ 事業実施に当たって質が向上した場合に民間事業者なり官のほうにインセンティブといったようなものを与えるのかどうか。また、その質が確保できなかったということが確認できたときにディスインセンティブのようなものを設定するのかどうか。また、その必要性、設定する際の根拠をどのようにするのか。
* ④モニタリング
・ 安全管理を含む履行の確認、業務の質の向上がされたのかどうかの確認。
・ 従来あまり意識されてなかったモニタリングコストについて、どのように取り扱っていくのか考えていく必要性があるのではないか。
* ⑤その他
・ なかなか単年度では民間の事業者にとって魅力的でない。
・ 民間が必要としている情報の提供。民間が必要としている情報がどういうものなのかがわからない状態。
・ 民間が落札したときに、権限をどのように渡していくのか、人事権のようなものまで渡せないのか。
・ 行政職員の意識保持と新しい発想の受入れに対する働きかけ。単に民間に任せるということではなくて、行政職員の意識変化、また、新しい発想ができるということがそもそも本当に重要なのではないか。
・ 事務の引き継ぎ。業務を引き継いでいく過程も行政あるいは、第三者機関が監視することが必要なのではないか。
・ 不確定なコストの取り扱い。場合によっては、清掃費や備品整備費が、コストの中に入っているのかわからないという情報提供もある。このようなものの中身をきちんと把握をしていかなくてはいけない。

* 問題点の整理の視点としては、
・ 問題点を挙げてすべての解決策を示すということではない。
・ それぞれの事例が、どういったような対応を図っていったか、新たに市場化テスト実施を検討している自治体が、例えば対象事業の選定をするときの課題について考えるポイントを提示する。

(質疑応答)
*(小川委員長):事例研究会なので、事例を参考に情報提供するというのも、直接の目的だと思う。が、そうすると、論点と課題で、特に論点の①ですが、若干フレームアップしたほうがいいかもしれない。タイプⅡとタイプⅢの分け方にも関わるが、要はタイプⅡといっても、事前の対象事業の選定というのはすごく苦労しているという指摘がある。タイプⅢというのは、どちらかというと、それを提案から入っていくタイプだと頭の整理ぐらい少しフレームアップして、いずれにしても大変だなと。まさに倉敷市の事例では、「棚卸」について述べてある。棚卸とは何かが、難しい。
*(吉川委員):なぜ、各自治体の取組みがなかなか進まないのか。是非タイプⅠを重点的に解きほぐして欲しい。

*(小川委員長):倉敷市の資料に書かれている「官がすべきか、民がすべきか」は永遠の課題と言える。市町村は日ごろから住民要望などがあり、どのように対処するか日々苦労している。市場化テスト法は国が利用することが合うのではないか。市町村に必要なのは、棚卸なのでは。プロセスとして市場化テストがうまく組み合わさっていれば良いという感じなのか。
*(河委員):市町村の場合、事業を実施の有無を首長が決めてきた。市町村の場合、首長が決めてきたものを、首長がどう判断していくのかは、客観的に議論できるものなのか。
*(小川委員長):市町村の場合はもともと現場行政で政治そのもの。
*(河委員):実施するかしないかがそもそも政治そのもの。
*(河委員):首長が判断すればよいが、首長が判断をして責任を負うのについてはやや厳しいものもいっぱいあるだろう。やや距離を置いたところで判断に使うという方法はあるのではないだろうか。
*(小川委員長):ただ、最近の傾向としては多少異なる動きも出てきている。それは首長の指導力が高まっているのかもしれない。

*(渡邉委員):(資料3の)論点④モニタリングについて、民間事業者と市役所でモニタリングに対する考え方が違うと気づいた。民間事業者は自分がやっていることを良いか、悪いかだけ評価してくれればいいという観点でモニタリングをとらえている。行政がモニタリングというのは、住民に対する説明責任を果たすという意味でやっている。民間と役所とではそこで観点が違う。
*(小川委員長):モニタリングとは民間にとっては、契約関係だから、協定書と提案書に照らして評価して欲しい。
*(渡邉委員):民間は、契約を履行したことに重点を置いている。しかし、行政は税金を使ったことに対する説明をしているので、そこがどうもかみ合わなかった。
*(小川委員長):モニタリングって何だというところからずれている。
*(小川委員長): モニタリングは、お互いの協定書の書き方だとか、提案書がどうだとかが固まってこないとまず議論にならない。相手と求めているものが少しずれていた。まず関係者の中でまとまってなかった。

Q (河委員):モニタリングと契約の延長との関係は一定のルールみたいなものをこれからつくろうという動きはあるのか。
A (小川委員長):インセンティブ条項を入れるかどうかや、提案書の書き方、それから協定書で入れておくかどうかなどは基本的には年限だが、話し合われている。
Q (河委員):年限で、またゼロからの出発。
A (小川委員長):3年、5年というものだが。

Q (河委員):契約年限の話として、一定条件は揃っていたら、原則継続とするか、あるいは原則×1/2継続でも良いかと思うが、そういうルールというのは出来ないのか。随契の話につながるかもしれないが。
A (小川委員長):指定管理者は議会の議決を経て指定するものなので、それは年限以内。だから自動継続ということはあり得な。ただし、最初からの提案書、募集要項などにインセンティブ条項でよければあり得るなど、議会との合意の上で織り込むという手法はあり得るという議論になっている。

Q (河委員):指定管理者の継続条項と公共サービス改革法の継続条項は、むしろ公共サービス改革法のほうが継続の議論がしやすいのでは。
Q (小川委員長):そのときは入札をしないで継続ということなのか。
A (河委員):やり方はまさにルールづくりだと思う。
*(渡邉委員):指定管理で、実は3年やって成績よければ、次の3年非公募で行う。
もう一回、非公募でやって、9年までやろうということを、実は内部的にはかなり検討していて組み込もうと思っている。そこの議論の中で、3年ごとに市議会のチェックを受けるから、それで良いという議論もある。市場化テストの場合は入札し、長だけが成績が良いというのを認めていくので、そこはどうなのか。どこかで外部の、それは議会でもそういうことも報告していけば、良いのでは。
*(河委員):むしろルールメーキングの問題であって、今の法律だとどうなっているかというよりも、これからどういうふうに考えていったら良いかという意味では割と重要なポイントだという気がする。
*(渡邉委員):民間とうまくやっていこうと思うと、3年とかではなくて、見直しは当然少しずつしなくていけないが、5年、10年長い期間で。
*(河委員):ひどかったら再契約しないというような感じが、本当は一番良いのでは。
*(小川委員長):ちょうど2回目の期間に入ってきたということもあって、この議論がかなり練れてきた。
*(河委員):基本的にまじめにやって、評価が高ければつなげてもらえるという前提で体制を組むと大分違う。

*(今井委員):インセンティブについては、何のためにモニタリングをやるのかという事業者側から見ても、なぜ評価されているかというのが1つあるので、そこはこれからの課題になっていくのでは。ただ、モニタリング自体をどう考えるのかという、今の事業者の考え方とか、自治体の考え方もあるが、基本は委託している事業のサービスの水準の共有というか、同じサービスの水準の意識を求めておかないと評価が当然ぶれてしまう。それを今後どう確立してどう生かすかというところが課題だと思う。それに対して第三者が入るか、意思決定をどこでするかという問題はまた別だとは思うが、いずれにしても、選ぶときの公平性、透明性も含めて評価もその部分は非常にポイントになってくるのでは。
*(小川委員長):モニタリングは指定管理者法でも残った大きな課題。もともと行政評価というのが難しい。
*(渡邉委員):首長が変わると価値観が大きく変わってしまうことがある。
* (河委員):サービスの質論をやらなければいけないということは共通している。サービスの質論をやるということと、全体のシステムとの関係がまだあいまいな部分が多い。
*(今井委員):行政側もどれだけ、どういうサービスを求めているのかというのをきちんと協定書や仕様書に書き込めるかという、行政側の質の問題もあるのでは。

Q (小川委員長):市場化テストの場合は、サービスの質について、いつ明確にされるものなのか。
A (事務局):公共サービス改革法の考えに基づけば、事前に実施要項というものでサービスの質を明確化していくという。
Q (小川委員長):それは入札の前に明確化するということか。
A (事務局):入札の前に明確化する。
*(小川委員長):事実上不可能だ。入札だから、ある程度は基準を示しておかないと入札なんかできないが、やって初めてわかるような話はいっぱい出てくる。
*(渡邉委員):それは要求水準を書けということだと思う。だが実際には難しい。

*(小川委員長):だから、入札と聞くと、客観的にやらなければいけないというイメージがあるからなかなか難しくなる。
*(河委員):だから随契の問題が出てくる。随契は、割と意思がいっぱい埋め込めるが、それ自身が悪だと言われると、まさに意思が埋め込めなくなってくる。
Q (小川委員長):100万円以上の大規模修繕は協定の外でその都度協議するということは、その時点で枠外を作るということ。委託契約の管理費外をつくるということなので、市場化テストに入れられないのでは。
A (河委員):基本は入れられない。
Q (小川委員長):それは別として入札する必要があると。
A (河委員):だから期限という問題がおのずから出てくる。

Q (小川委員長):市場化テストには入札というのは必要不可欠なのか。
A (河委員):基本的には必要不可欠だと思う。テスト=入札みたいなところがある。切り出しの話は別にすると、「テスト」という言葉が、入札のような感じではないか。

Q (小川委員長):杉並区は必ずしも入札をやってないのか。
A (今井委員):やらないのもある。考え方としてはそのまま随契という考え方もある。

*(小川委員長):タイプⅡは官民競争入札「等」を入れてはどうか。
*(渡邉委員):手段はどうあれサービス向上が図られればいいとか、経費が少しでも安くなればいいという。
*(小川委員長):そういうややゆるい構えのほうがいいのかもしれない。
*(河委員):地方公共団体の場合の一定の限定されたものは別にすれば、その中からどういうところがいいと思って使うかと、メニューみたいなものがあり得ると思っていただいたほうがむしろ使いやすい。
*(小川委員長):制度のいい所を取り込む事を考えればよい。
*(河委員): パッケージにしようと思ったら、自治体が使いにくいところはいっぱいあると思う。
*(小川委員長):棚卸が本質部分なのかもしれない。
*(河委員):棚卸の本質というか、全部を対象にするという信念から始まっているから、ある部分をどうしようかという議論ではなくて、全部を公共サービス改革法は棚卸を必ずビルトインしておく。
*(小川委員長):まだそんなに事例があるわけではないので、これから実施しようとしている自治体の参考になればよいと考える。

(4)その他
・ 報告書の取りまとめについて
・ 今後の情報発信等について

3.閉会