1.開催日: 平成21年11月6日(金) 14:00~16:30
2.場 所: (財)地域総合整備財団(ふるさと財団)1階会議室
3.出席者:
【委 員】
小川委員長、鎌形副委員長、
大村委員、久保田委員、白木委員代理、広瀬委員、松谷委員、薬師寺委員、
山口委員、横道委員、吉川委員、渡邉委員
欠席: 安田委員
【事務局】
ふるさと財団: 水谷事務局長、浅野部長、大濱課長
三菱総合研究所: 佐々木主任研究員、西松研究員、長岡研究員、森木
1. 議事
(1)総務省 公の施設の指定管理者制度の導入状況等に関する調査結果
<吉川委員より資料の説明>
【横道委員】
管理代行制度というのはどのような制度ですか。
【吉川委員】
要するに都道府県、市町村、住宅供給公社が管理代行の主体になれるということです。都道府県が市町村の公営住宅を管理する、あるいは市町村が、条文では他の地方公共団体が管理する公営住宅となっておりまして、地方公共団体それぞれが別の団体の公営住宅管理をすることができるという話です。
【事務局(西松)】
管理代行制度については、公営住宅法の中で定められている制度で、指定管理者制度とは異なる制度です。どちらを選ぶかは自治体の判断になっています。現在、指定管理者制度をやめて管理代行制度に移行する自治体がふえています。
管理代行制度については、当然公募をするということではないので自治体の方で管理代行者を定めるという形になっております。
【広瀬委員】
調査結果で、選定理由の公表を実施しておらず評価をしていないところがあり、適切な運用ではないともし御評価をされるのであれば、適切な指導を総務省として実施されるおつもりなのでしょうか。
【吉川委員】
この点は、今回は事務連絡という形で出させていただいております。これまで何度か、地方自治法上の技術的助言という形で、各地方公共団体に文書を発出させていただく、あるいは地方財政全体の運営の通知の中にも織り込ませていただいております。今後、折に触れそういう形でやらせていただく場面はあると思っています。
【広瀬委員】
つまり事前の選定理由の公表と事後の評価をセットにするということが適切な運用と解釈していますが、間違っていますか。
【吉川委員】
いえ、適切な御判断だと思います。
【横道委員】
全部公表の必要性はケースによって違う可能性もあります。要するにコミュニティ施設や集会所まですべて評価して公表しなければならないのかという議論もあります。基本はそうですが、全部がそれをやらなければいけないのかというと少し違うかもしれません。
【広瀬委員】
そういうことです。つまりここが基本です。でも例外がないわけではない。ただし例外のときには、例外であるということを示す。少なくとも原則だということであるならば、原則でない場合はそれこそ説明責任を果たしていくことは必要ではないかと思います。
【横道委員】
それは今日の研究会の後からも出てきますが、公募・非公募の話はそういうところに絡んでくると思います。
【小川委員長】
そこの議論を踏まえて、一定の何かが出れば報告書に書き込んでいくということではないでしょうか。私から質問ですが、公営住宅は、何千戸あっても公営住宅全体を1件という数え方ですか。例えば棟ごとに指定管理者が別々という場合もあると思いますが。
【吉川委員】
実際、公営住宅の区分けには少し微妙なところがあります。一応団地ごとに1件で、見ております。本当は数え方が大変難しく、団地をどう見るという議論もあります。ケースバイケースですが、初回の平成18年の調査のときに、当時の担当者が大変苦労して整理をしたのが公営住宅なのです。調査の継続性は確保できるように、平成18年度の調査を踏まえて、今回も施設のカウントをしております。
【横道委員】
損害賠償責任の履行の確保で、都道府県だけなぜこんなに低いのでしょうか。一般的に都道府県や指定都市が高くて、市町村が低いという傾向がありますが、ここだけ県の方が一番低いというのはどのような理由からなのでしょうか。
【吉川委員】
分析をしておりませんが、施設の種類によってというのがあるかもしれません。
【山口委員】
先ほど都道府県での指定管理者制度の導入数と導入率が減った理由として管理代行制度を導入したためとご説明がありました。静岡県の場合、指定管理者制度の導入については積極的に取り組んでおりますが、公営住宅の効率的な管理には管理代行制度を指定管理者制度と同様の扱いで活用しております。そのため、2つの制度を同じ指定管理者制度の枠組みに入れられてしまいますと指定管理者制度導入率は一挙に割合が下がってしまいます。
【吉川委員】
まさに、そういうことで意識をしてつくっています。
【山口委員】
管理代行制度があり、この手法で公営住宅の管理をすることが指定管理者制度と同様の扱いとするならば指定管理者制度導入施設数として、公営住宅を除くのが指定管理者制度導入率であると思っていますが、いかがでしょうか。
【横道委員】
今の山口委員の気持ちは分かりますが、逆に北海道から見ると、入れて7割で、入れないと4割になります。とりあえず両方出すことが必要なのではないでしょうか。
(2)横浜市 横浜市の「指定管理者制度運用ガイドライン」について
<久保田委員より横浜市事例説明>
【横道委員】
やはり応募倍率は下がる傾向にあるのでしょうか。
【久保田委員】
やはり施設によってかなり特性が異なります。下がっている施設は福祉施設等の参入が難しいものが多いです。ただ参入がある程度活発なのは、例えば地区センターと言われる公民館のような施設、それから公園のようなものです。例えば福祉施設であれば現に良好な指定管理者と利用者の関係を壊してまで新規参入者を入れることが目的ではありませんので、モニタリングさえできれば、1団体しか手が挙がらないということでも構わないと考えます。ある程度経済性がある施設については、競争というものは重要なファクターですので、民間事業者にとって魅力ある仕組みにしていきたいと考えています。
【広瀬委員】
この説明を聞いて倉敷市と総務省はどのように聞かれているのかと思いました。言いにくいかもしれませんが大変興味があります。
【渡邉委員】
では倉敷市から。「そうだろうな」という感覚を持って聞いていました。私たちも最初は横浜市の規定を参考にしましたし、倉敷市の例(サウンディング)を横浜市も取り入れてくるなど特別違和感はないです。倉敷市も同じように応募倍率が下がっているといった課題も一緒です。横浜市と倉敷市が同じということで倉敷市の制度設計もそう間違っていないという感覚で聞いておりました。
【吉川委員】
非公募も可能というところが若干気になる部分です。できるだけ公募原則というところ貫こうとされているのか、指定管理者制度を導入されて何年かたつ中で、すべて公募でもあるまいというところが見えてきたのかというところです。ただ一方で今非常に透明性の確保を我々も気にしていますので、公募というプロセスを踏むというところを重視していただいた方がいいのかなと思っています。 我々の立場としては、最後は説明責任、住民の皆さん、議会の皆さんがお認めになるか否かであると思いますが、当局の姿勢として、若干違和感を覚えたところです。
【久保田委員】
私の表現がよくなかったかもしれませんが、市のガイドラインには公募・非公募の決定ということで基準を書いています。
スタンスとしては「原則公募」であり、市民の信頼を高めることが重要だと思っています。制度自体に対する信頼が揺らいでしまっては、それぞれの現場や指定管理者がどれだけ努力をしたとしても市民からの信頼を得られないと考えています。
それから、限定した応募者が得られないような場合であっても2つの効果が得られるであろうと考えています。1つ目としては、非公募でやるということになれば、目標設定をルーズにしてもよいという緩みが生じる可能性があります。そこを公募にすることによって、PDCAサイクルが回っていくと考えています。2つ目は、指定管理者に対してですが、やはり競争性があるということで努力をするインセンティブが生まれる可能性が高いと考えております。
我々としては、原則公募ときわめて強く考えています。非公募は、例外的な要件というものを満たした上で、かつ市長出席の戦略会議の案件として庁内的に説明しなければ非公募にすることはできないという非常に強いハードルを設けています。そういう意味で今述べられた懸念は横浜市では発生しないのではないかと考えています。
【山口委員】
再指定の応募の倍率に驚いたのですが、先ほどの説明ですと福祉関係の応募が少なかったということですが、これだけ下がっているということは全体的に落ちたのではないですか。
【久保田委員】
一番多く下がったのは公園です。公園は造園業界が前回参入をしようということで、1施設に対して10以上、最大で13の応募がありました。単純平均をとってしまうと5.25倍ということになります。そういう意味では、見かけ上ほどは大きく落ちていませんが、現状では福祉施設は1倍程度になってきています。
【山口委員】
静岡県も2期目に入り公募を実施しましたがそれほど倍率が変わりませんでした。もともと5倍、6倍という高い応募倍率の施設が多くないことも応募倍率が極端に下がらなかった理由と思います。指定管理者制度そのものに対して最初のころは物珍しさも手伝い、また実情も十分理解されず、ともかく応募してみようという雰囲気もあったと思いますが、再指定の施設となりますとかなり応募される企業が限られてきたという気がします。また、指定管理者制度による施設管理にあたって、行政特有の制度などがあることがわかり、民間にとって魅力のない制度になってきてしまったという気もします。
【久保田委員】
今の団体がよく運営をしていて、そのために他の事業者が怖気づくという意味であればよいのですが、施設としてもビジネスとしても参入の魅力をもてるようにするのが我々の仕事かと考えます。
【薬師寺委員】
我々が新規参入を検討する場合、前の団体がどのような運営をしていたのかを調べます。難しいところにはやはり手を挙げないことがあります。そういう意味では、新しく参入するところの判断基準を結構シビアにしていますので、やみくもに手を挙げることは減っていると思います。あとは、当初の選定の過程があいまいだったこともあったと思います。そういう意味では、何を信じればいいのかわからないという団体さんも結構多かったりしました。もう一つ、公の施設を管理することで利益を上げることはまかりならぬという論調もあります。そこでは、民間の継続的な運営という中では厳しい状況になっているかと思っています。一定程度の利益をきちんと認めていただける雰囲気があるといいという願いがあります。これは多分、今年のこれからのテーマだと思います。
【小川委員長】
利益は御指摘のとおりですが、今年は公募のあり方です。伏線で話題は尽きないといいますか、利益を追求するのはけしからんということは確かにあるのです。話がジャンプしますが、他に市場化テストの研究会を実施しており、そこの議論で、「今、役所がワーキングプアをたくさんつくっている」という指摘がありました。最近、非常勤職員等で比較的割安な人材を活用している地方自治体があります。その場合、民間に委ねるよりも直営で実施した方が費用がかからないという側面もあります。
【渡邉委員】
倉敷市で市場化テストを実施しましたが、直営でやった方がコストだけで言うと安い場合があります。市は、消費税・法人税も一切支払う必要がありません。株主への配当など利益を出す必要もありません。ケースバイケースですが、発展性の見込みのない単純な業務であった場合、金額だけを比較すると、よほど民間事業者が特殊なノウハウ、アイデアを保有していない限り、官民競争入札で民間事業者は勝てないと感じました。
【渡邉委員】
倉敷市の例で言うと、応札者の管財課は非正規雇用の方も活用して提案しました。民間事業者でも正規雇用の社員の人件費は公務員とそう変わらないはずです。
サービスの質と金額は、基本的には比例するものと思います。そうした意味で高いレベルを要求すれば、人件費も当然高くなるはずです。
【小川委員長】
非常勤職員で固めてしまうと、民間より安くなるというケースがあるのではないかと。現実の実感としてそういう指摘がありました。
【久保田委員】
横浜の小学校の給食調理業務も同様です。一部のボリュームゾーンの500人から800人などの効率的に回せる部分は民間の方が効率的ですが、小規模校などですと正規職員1名とアルバイトさんという形で運営をやっているので民間が太刀打ちできない。そのかわり正規の職員の方も猛烈に働いているような形になっております。
【小川委員長】
その話は、本来の趣旨とは別のところへ行ってしまうのですが、個人的に違和感があるわけです。それを本当にやっていいのかと。
【渡邉委員】
非常勤職員だけで業務を続けた場合に、超長期的にサービスの質を確実に維持できるかということには、疑問があります。指定管理者制度では、民間企業の方でちゃんとノウハウが提供され、かつ、ノウハウの維持ができるのだと思われますので大丈夫と思います。
(3)指定管理者の公募スケジュールのあり方について
(4)各自治体のガイドラインの記載事項について
<事務局より資料の説明>
【横道委員】
引き継ぎは3カ月程度、12月に決まれば1月、2月、3月とあるといえばあると思いますが、3カ月ぐらいかかるのですか。
【大村委員】
そんなにできたことはないです。具体的な引き継ぎというのは、現地に行って仕事の手順を理解して自分たちなりに整えるということで考えれば、大体1カ月、3月の1カ月ぐらいです。
【横道委員】
ここに1カ月が望ましいと書いてあるけれど、3カ月もいらないというか実際こんなものはできないのではないでしょうか。
【大村委員】
前もってできた方が習熟度は上がりますので、スタート時に円滑に始められるという利点はあると思うのですが、引き継ぎの経費はお支払いいただいているわけではありません。その間、完全に持ち出しになります。その分どんどん人件費を持ち出すことになりますので、限度ある中で実施せざるを得ないと思っております。
【事務局(西松)】
補足させていただきますと、引き継ぎ期間としては1カ月ぐらいが適切かと思います。ただし、準備のことを考えると指定を早めに受けておくことが指定管理者側としては必要と思いますので、そういう意味では3カ月前には指定を受けているということが必要ではないかという趣旨でございます。
【久保田委員】
引き継ぎコストの話ですが、横浜市ではその費用を市が負担すると規定をしている場合もあります。それが適正かどうかは難しいところですが、委託の引き継ぎ業務ということで、前年度に実施する必要があるので次年度費用には乗せられず、別途随意契約で実施しています。今後についても、可能な限り引き継ぎ費用については市が負担することになっています。
【渡邉委員】
我々は、指定期間中のサービスを購入すると考えています。準備行為や初期投資などの必要経費は指定期間中に支払う委託料の中に当然含まれている。それをおしなべて5年なら60カ月、3年なら36で割って払っているという理解で十分と思っています。
【久保田委員】
そこを見ないとどうしても前任者といいますか現にいる人が有利になります。そこを有利にしないために支払っています。
【渡邉委員】
そこは切り捨ててハンディキャップのある競争と考えています。
【久保田委員】
透明性と公平性の重視のバランスの問題だと思いますが、横浜市は公平性の部分も見たいというところであえてやっています。
【横道委員】
順調ならこのとおりですが、もう一度やり直さなければならない等、アクシデントが起きた場合はどういう危機管理をするのですか。公募したけれどなかったとか、審査の途中で再公募しなければいけなかった場合などはあるのですか。
【事務局(西松)】
過去の経験の中で再公募といった形も実際に出ています。場合によっては指定が遅れてしまう形で、場合によっては一時直営に戻すといったケースもあるかと思います。そういう意味では、なかなか4月1日から管理は難しいかと思います。それこそ12月議会でなく、2月議会といったところで何とか議決を得て1カ月ぐらいのドタバタで準備をして4月からというケースも中にはあろうかと思います。
【久保田委員】
率直に言ってそのようなケースは発生し得るので、今回示されたスケジュールは一番ぎりぎりのスケジュールだと思います。横浜市の場合はこれより3カ月程早く諮ることを目途にしています。議会で議決されることを当然と考えるわけにはいきません。また公募したけれど手が挙がらないという事例も過去にも生じておりますので、そういったことに対応ができるように、3カ月程度前倒し、できる限り9月議会までにはすべてあげるということを想定しています。
【事務局(佐々木)】
例えば新しい指定管理者に対して否決されたというのであれば、現行の指定管理者の方に依頼するということも可能かもしれませんが、今の指定管理者の再指定に議決で否決された場合などは議論があると思います。今の指定管理者がだめなら直営に戻せばいいかといっても人材確保の問題もあるので、事業継続が難しくなる場面が出てくると思います。
【広瀬委員】
業務によって季節労働があります。プロ野球あるいはJリーグは、オフシーズンがありまして施設の改修等はオフシーズンしかできないのです。単純にプロのスポーツリーグというのは施設の修繕等々の問題が、季節労働ですから限られているので、例外的にそれはフレキシブルに対応せざるを得ないということが生じています。
【山口委員】
債務負担行為についてお聞きしたいのですが、静岡県ですと債務負担行為は、財政の意向も取り入れて、すべての施設には適用させないとなっております。債務負担行為を公募前の6月議会に行う場合と指定と合わせて12月議会に行う場合、また説明にありました債務負担行為の議決を得られなかった場合は再公募の可能性もあるということについて、具体的に説明をお願いします。
【事務局(西松)】
指定管理料というものを12月の議会で諮って、債務負担行為を取るというケースが考えられますが、議会で債務負担行為について議決を得られなければ、場合によってはもう1回公募を行って、予定する金額に入る事業者を選び直さなければいけないという可能性があります。公募を行う前に債務負担を取っておく方が望ましいのではないかということで書かせていただきました。
【事務局(佐々木)】
例えばPFIの事業の場合は、実施方針を公表して特定事業の選定をして、それから債務負担行為を打ってから公募にかけます。そのやり方を踏襲しているという考え方です。
【山口委員】
債務負担行為は、年度をまたがる契約を保証するものですから、2月議会、翌年度の指定管理者の委託料の予算が決まるときでもいいのではないかと思うのです。むしろPFIとはちょっと違うのではないかという気がします。公募前の6月議会でなくてもいいですし、12月にわざわざやる必要もない。指定が決まってなおかつ引き継ぎの準備が整って、最終的に翌年度予算が決定する2月議会に債務負担行為を取っても十分間に合うのではないかと思います。
【渡邉委員】
指定管理者の指定も、普通の委託契約とほとんど変わりがない。指定という行為が行政処分であっても、実際の業務は管理委託をしていたときと全く変わらないです。建設工事や物品の購入も同じです。これらの入札では、先に債務負担行為を設定しています。
仮に債務負担行為を事前に設定せずに募集を行うと応募する団体の方も、指定は受けたが予算の方は減額されるといったこともあるわけです。そのような案件に応募するのはどうなのかなと。
金額とサービス水準は一致しますから、そこの設定も議会に決めていただいて安心して応募いただくという方が素直かと思います。
【松谷委員】
多分それでいいのかもしれませんが、この事業者この期間とこの額で債務負担行為の設定という方が、議会としてはわかりやすいと思います。そうすると一般的にはまず指定議決の方が先で、その後に2月議会なり、12月議会でやる方が自然かなという気がします。
【渡邉委員】
債務負担行為というのは枠で、上限を定めているだけです。枠をいただいているだけなので、実際の額は、入札(業者選定)が終了した時に確定します。年度内であれば債務負担行為を減額修正することもできますので、そういうことも当然あります。
【鎌形副委員長】
民間側から言えば当たり前だと思うのです。最初のころ、指定管理者に選ばれたのだけれど予算が取れなくて減額されたというケースがありました。本来はちゃんと予算を確保した上でやるというのが望ましいと考えられます。議会が通せるかどうかといったその辺はわかりませんが、本来はそうやるべきなのだろうと思います。
【久保田委員】
先にやってしまうと、上限価格が見えているということですか。
【渡邉委員】
はい。
【久保田委員】
横浜市の場合、提案で上限価格を決めていません。
【渡邉委員】
上限価格を示さないと応募する人たちも困るのではないですか。市が、安くて悪いサービスで良いとするのか、高くてもすごく優良なサービスを望んでいるのか。
【薬師寺委員】
基準としては出していだだくのが一番ありがたいです。ただ、やはり下げ幅を期待している自治体もあると思います。我々ですと、どうしても前年度の予算などを参考にして金額を出しますが、前年度の予算よりも大きく出すのはリスクがあります。それなら行政の方から上限額を設定していただいて、その中でのパフォーマンスベストを目指すというのがありがたいという気がします。
【久保田委員】
相対で交渉ができないのがどうしても指定管理ではあります。
【横道委員】
これも前に議論があったと思いますが、前年度予算が適正かどうかも本当はわからないわけです。だからある程度試行的にやらなければなりません。原価計算はしっかりと詰めてやっているのですか。
【渡邉委員】
前年度のものがもちろんベースになっています。でも担当課には「高いレベルを要求するのであれば、それに応じた人件費で見積もれ」とか、「安全を担保するためのコストはしっかり見ろ」という指示をしています。安直に、前回と同様ではダメと指示しています。ただ、実際の積算では、過去のものがベースになっているというのは間違いないです。
【薬師寺委員】
自治体の方にお聞きしたいことですが、選定委員会の構成員ですとか選定の規定がありますが、実は2期目に入って非常に悩んでいるところがあります。
外部委員だけで構成する場合と、内部の職員と外部の両方で選定する場合、もしくは内部だけでやるという場合の幾つかあると思いますが、例えば地方自治体の意向を担保するのに全部外部委員で本当に担保できるのかなという疑問があります。そのあたりところ何か工夫されていらっしゃるのか気になるところがあります。
後は、既存の団体の方が明らかに有利だと思う一方で、公平さを担保するためにこれまでの運営実績は全く考慮しないといわれる場合があります。最初の応募時には現在の運営状況を知らない故に斬新な提案が出せますが、一方で現実を知っている既存団体では、実績を考慮した現実的かつ具体的な提案をするため、提案書の中身の構成が違ってくることがあります。そのあたり、これまでの実績を全く無視するのか、実績も含めた中で選定を進めるべきと考えているのか、選定する側としてどのようにお考えなのか教えていただけますか。
【久保田委員】
役所を入れずに役所の考え方が反映されるのかというところですが、基本的には役所の考え方については、人の部分でなく公募要項で明らかにされるべきものだと考えています。もちろん人も重要な要素ではありますが、練った公募要綱を出して、採点は外部の人にやってもらう中で、公平性、透明性を確保したいというのが横浜市の考え方です。
【薬師寺委員】
実績を勘案しない方が新しい団体が参入するためには公平だ、という考え方はいかがですか。
【久保田委員】
本当にフラットで勝負をするというのもあると思います。横浜市では、加点をすることで前任者に対する意欲づけをしています。それから、選定委員として施設利用者代表というのが横浜市には入っていますが、利用者の代表の方は顔が見えているわけです。信頼関係ができている場合というのは、あえて書類を見なくてもここに入れたいというのがやはりあるわけです。それは結局わざわざ選定基準の中に入れなくても、何かしらの形で反映されるというのがあると思います。
【渡邉委員】
倉敷市では、市長が必要と認めるものとして、利用者の代表の方に参加いただいています。大体2名です。利用者代表か地域代表ということです。選定委員会の実際の会議ではこの2名の方が、議論をリードされることが多いです。代表を通じてではありますが、「利用者が自ら指定管理者を選んでいただく」、「どういうサービスを提供してもらうかは利用者自らに決めていただく」ということが重要かと思います。そういう意味で言うと、前回の実績はとてもよく反映されます。
【事務局(佐々木)】
その利用者代表の方はどういう形で選ばれるのでしょうか。人によっては、個人差があると思います。
【渡邉委員】
たとえば障がい者施設でしたらその地区の障がい者団体の会長さんか副会長さんに来ていただいたり、もちろんケースバイケースです。引き受けてくださる方も大変な作業ですし、責任が重いですから、委員の選考に苦労することも多いです。
なお、利用者代表の選任は、所管の部署が決めています。
【久保田委員】
横浜市の場合、地域施設であれば地域の代表の方が入ります。
【渡邉委員】
利用者代表や地域代表が選定委員会に参加していると、現指定管理者がしっかりとしたことをやっていると、新規事業者が選定されるというのはハードルとしては高いという印象をもっています。
【久保田委員】
安心感といいますか、よっぽどいい提案を出してかつそれの実効性を担保できるようなものがなければ、現在の実績を覆すのは難しいと思います。それは加点をするまでもないと思うのです。
【渡邉委員】
民間事業者に「新規参入は難しい!」というメッセージを与えている部分があると感じています。そういう状況もあって、応募者数が減っていると思います。
【大村委員】
この先3期目、4期目に行くときに、本当に実績を出して満足度やアンケートなどで支持をいただいていれば、どこまででも続くのでしょうか。公平性を重視するあまりに、中身がよくても3期で変えるルールを入れようとしている自治体があるという話を聞きました。そんなうわさなどを聞くとどこまで続けられるものなのかというのが疑問に思いました。
【渡邉委員】
公の施設を通じてサービスを提供しています。そのサービスを安定的に確保して、かつ、質も上げるというのが目的です。公平性を担保するために指定管理者制度があるわけではありません。倉敷市で言いますと事前準備や情報量などで現指定管理者が有利という実態があり、実態としてこうした差を埋めることは不可能と感じています。ですから、公平かどうかということは切り捨てて、純粋にコストに対して一番いいサービスを提供してくれた人を選ぼうという姿勢です。3期を終えた後は強制的に変えるというのは、一つの考え方ではあると思いますが、少し違和感があります。
【久保田委員】
自治体の首を絞める気がします。意味合いが全然違うのではないでしょうか。余り実効性がない規制はやめた方がいいと思います。
(5)指定管理者導入の判断基準及び非公募の判断基準について
<事務局より資料の説明>
【久保田委員】
一律の基準で公募・非公募というのは判断できるような基準の設定は難しいと思います。私どもも、最初はつくりたかったのですが、最終的には広く、政策的な判断でやるというものを残しておかざるを得ないのです。施設の特性を判断するとか、地域性とか、市の市政の動向、政治的なものも含めて、広く考えられるものだと思いますので、なかなか技術的にテクニカルにだけは行かないのかなと思います。そういう意味では、羅列になってしまうのはどうしても避けられないかと思います。逆にこのように羅列してあれば、後続の自治体が、自分のところに見合うものをピックアップしてさらに最後に包括的にそろえたという規制さえ設けておけば対応ができるので、意味はあるのではないかと思います。
【広瀬委員】
これに該当すると、非公募でもいいという話ではないのでしょう。
【事務局(佐々木)】
原則公募という形です。それは大前提に置いておかないと、逃げ道たくさんつくっているように読まれると困ってしまいます。そういうふうに報告書は仕上げないつもりでございます。
【吉川委員】
担い手がほかに存在しないというのがあるのですが、これは世の中探せばあるだろうなと大概の者は思うのですが。
【事務局(佐々木)】
いないということをどうやって証明するのかそこがまた難しいところです。
【久保田委員】
いないということを証明しなければならないわけで、結局水かけ論になってしまいます。私はサウンディングを活用することが一つの手法だと思っています。サウンディングで概略の条件を出して、現法人以外応募がなければ非公募にするというのは説得力があると思います。それがないと、現法人または外郭団体を守りたいだけではないかと見えてくるので、余り使いたくない手法です。
【松谷委員】
小さい主体は従前の団体にお願いするというところは多いと思います。公益法人制度改革で従前の財団法人が公益法人の申請をした際に、従来財団が担っていた施設が公募にかけられるような施設になってしまうと、財団固有の事業ではなくなるため、その事業で公益性を担保すると言えなくなってしまう。そこを言えないとなると当然彼らは公益財団ではなく一般財団にならざるを得ないといった可能性も出てくる。それにどのように公益性を持たせるかという自治体の役割が求められた場合、難しいのかなという気がしています。
【渡邉委員】
公益法人制度改革もあって、指定管理者業務だけをやっている第3セクターは、将来的には生き残れないでしょう。指定管理者制度は、民間企業を積極的に活用すべきという制度ですから。
仮に、第3セクターを残すことが目的ならば、第3セクターにとっての新しい道をつくらざるを得ないのかなと思います。
【松谷委員】
それは自治体の判断でしょうが、ある意味第3セクターですから、当然政府系金融機関からお金を借りているわけです。それを市が一たん清算するというぐらいの腹づもりがないと、行き詰まってしまうのかなという気がします。非常に難しい問題で、第3セクター自身もできないでしょうし、市もそこまで判断は議会も含めてできないという気がします。
【久保田委員】
そこを変える起爆剤が指定管理だと思うのです。
【渡邉委員】
あと役所側の都合で言いますと、正規職員がどんどん減っている状況なので、一般の民間企業では難しいが、外郭団体なら任せられるという仕事があるのではないかと思います。そうした分野を直営から切り出せなければ、第3セクターは生き残れないのでないでしょうか。
指定管理者は公募が適切と思います。もし、指定管理業務に固執するなら、みずから公募に打ちかって、公益性を証明していくしかないものと思います。ちょっと指定管理者制度を飛び越えた話ですが。
【松谷委員】
今言った第3セクターなり公益財団法人、今現在の財団法人などどが当然その事業を主たる目的として今までやってきたわけです。それがなくなったときに、その団体はどうなるかという部分まで考える必要があるでしょう。一方で、自由にしなさいと市が線を引ければいいのでしょうけれど、市が出資しているという面で大きくかかわっているのが実情です。
【広瀬委員】
今の話は、公益性という話と財務的な話が一緒になっていますが、公益という点の判断では、そこを線引けというのが今回の法律なのです。それは今横浜市がおっしゃっていることが正論で、それとは別な視点でやってくださいということです。
【松谷委員】
そうすると実態として、非公募の要件みたいな文がありますね。それができかねないから結果的に実状で運用するという、そこが一番大きな問題だと思っています。そこが解決しないで、あるべき論でやっていたときに、結果的に小都市と大都市みたいな部分の乖離がどんどん大きくなってきて、制度の中身のところがうまく適正に運用されず、自治体のそれぞれの思惑の中で運用が進んでいくと。
【広瀬委員】
ここは指定管理者制度の研究会です。指定管理者制度の中のことを話す話であって、それは市の全体のマネジメントのことをここで検討する話ではないでしょう。
【久保田委員】
委員会の議論の中で位置づけをしようとすると、選定の際にそういったものも含めて判断を行うべきかどうかというのはかなり大きなテーマになり得ると思うのです。指定管理者を選ぶ際には、政策的な判断をともなうべきなのか、それともその施設だけに着目をして最もいい団体を選ぶのかは、それぞれの条例も必ずそうなっていると思うのです。
【広瀬委員】
もう一つは、タイムライン(時系列)のことを考えてほしいのです。でき上がって3年、4年ですべての問題が解決するとはだれも思っていない。そこに行くのに5年かかるのか、10年かかるのかという判断はあるのだと思う。毎年、公益性・公共性はちゃんとプルーブアウトしてくださいというメッセージでしょう。だけどそのメッセージをゆがめるのであれば、指定管理者制度自体をどうするのという話に我々は踏み込む必要はないというか踏み込んではいけないと思います。
【久保田委員】
多分そこに踏み込んでしまうと、結局前の状態に戻ることを容認することになってしまうのです。
【小川委員長】
まさにおっしゃるとおりで、そこは各団体の判断でというところが残ってしまうわけです。すべての施設を一気に単年度で全部やれということではないわけです。そこは広瀬委員がおっしゃったように、目標に向けてどうやっていくかということであり、渡邉委員がおっしゃるように、ほかで生き残る道を見つけるという方法もあるわけです。
【山口委員】
公益法人と指定管理者制度と行財政の関係がいろいろあって難しい問題だと思いますが、ちょっと問題を本来の研究会の議題である公募に関することに戻させていただきます。私が聞いたところによりますと、自治体によっては既に公募することを条例で決めているというところもあると聞いております。指定管理者制度に適するか適さないかは内部で十分議論した上で、指定管理者制度を導入するものはすべて公募にかけるというのがこの指定管理者制度の目指すところから見れば公募は当然だと思います。
それでも公募で指定管理者を決めない施設があるのは、公募をしても全く募集が集まらないか、公募しても過去に管理委託していた外郭団体1つしか応募がないことがわかっている場合であると思います。こうした非公募で指定管理者を決めた場合には、指定管理者が決まった後に、なぜ非公募で指定管理者を決めたかを説明するというのが、多くの自治体で行っているのではないでしょうか。
【事務局(佐々木)】
我々がこの資料をつくるにあたって、例えば久保田委員ともいろいろディスカッションをさせていただく機会があったのですが、例えば横浜市の場合は施設がたくさんあり過ぎて1個1個公募をしていると、とてもコストに見合わないという施設もあるということがあったものですから、何でもよいという方向では書かない方がよいという判断が入ったという経緯がございます。
【山口委員】
公募しなければならないけれど非公募で指定管理者を決めなくてはならないというそれぞれの自治体での事情があると思います。そうした事情が非公募の判断基準の一つになっている場合があると思います。
静岡県では10月31日から11月2日にかけて事業仕分けを実施しましたが、その中で指定管理者制度を導入している施設が非公募だったことに対してなぜ公募で決めることにしていないのかとの意見が出まして、この事業につきましては、公募を導入するように見直すということで要改善となりました。公募・非公募の判断基準を定めるというのは非常に難しいと思います。
【渡邉委員】
基準の問題でなく、プロセスの問題なのかもしれません。
【小川委員長】
書き方を注意しなければならないのは、制度としては「原則公募」なのです。非公募にするときはその理由を明らかにせよというのがあるべきなのです。
【広瀬委員】
エクスキューズを与える文章にしてしまうと「これを使いましょう」というのはまずいです。
【小川委員長】
そこはみなさんでよく見て、思っていることは一緒ですから、チェックすればいいと思います。議論は議論として必要だと思います。 |