日 時: 平成20年10月14日(火) 13:30~15:30 場 所: (財)地域総合整備財団 1階会議室(東京都千代田区平河町2-5-6) 出席者: 【委 員】 財団法人地域総合整備財団 常務理事 小川 登美夫 ㈱三菱総合研究所 地域経営研究本部長 鎌形 太郎 総務省 自治行政局行政課長 佐々木 敦朗 千葉県 総務部総務課行政改革監兼行政改革推進室長 佐藤 忠信 シンコースポーツ㈱ 常務取締役 白木 俊郎 市川市 管財部契約課主幹 鈴木 実 柏崎市 財務部財政課 課長代理 松谷 範行 アクティオ㈱ 指定管理事業部東日本営業課長 薬師寺 智之 政策研究大学院大学 教授 横道 清孝 総務省 自治行政局行政体制整備室長 吉川 浩民 【講師】 三井住友海上火災保険㈱ 火災新種保険部保証信用保険チーム課長 渡辺 達夫 【事務局】 (財)地域総合整備財団 融資部長 浅野 正義 企画調整課長 堀内 聡 調査役 柴田 潤 ㈱三菱総合研究所 主席研究員 佐々木 仁 研究員 西松 照生
1. 指定の取消事例と保険
<事務局説明>参考資料1 <三井住友海上火災保険株式会社様よりご説明>
小川委員長:この履行保証保険の指定管理者制度における適応可能性はいかがでしょうか。
渡辺氏:協定書における契約解除や不履行時の損害賠償といった記載の有無がひとつのポイントになります。各自治体の協定書を見ましたが、あるところとないところがありました。現実にこれを扱うとしたら社内で、ちょっと議論になると思います。
小川委員長:工事などの保証業務における保険金の料率というのは何%ぐらいでしょうか。
渡辺様:審査次第のところがありますが、あとは、期間が問題になります。例えば20年間というような長期になると、民間ではそこまで与信することは難しい。そこで最近では、1年ごとに審査し与信するというようなことをお願いしています。
横道委員:さきほどのお話の中ででました契約解除についてですが、内容によっては、一部解除や違約金だけのケースなど考えられると思うのですが、全部解除のみなのですか。
渡辺様:そこまで細かく私どもも契約の仕方を検討したことがないのですが、現実に一部解除というケースがあまり見受けられないという状況もあり、今の約款上は全部解除が前提です。ただし、今後のニーズによって、変化していくことはあるかもしれません。 薬師寺委員:与信の審査対象は、やはり債務者、保険契約者の方だけですか。例えば、発注額(指定管理料の金額)自体が適正でないようなケースでは、受注側の責任もあるかと思うのですが。被保険者の方を調べるということはないのでしょうか。
渡辺様:一般的な審査の中では、そこまで見るというものではなく、基本的に対象は債務者の履行能力になります。
横道委員:指定管理では、3年から5年という期間が多いと思いますが、それが優良な業者であれば履行保証の可能性としてはどうでしょうか。
渡辺様:可能性としてはあります。一概には言えませんが、今の火災保険マーケット等々を勘案すると、期間は最長でも5年かなと考えています。常識的にも現在では信用が高い会社であっても、5年後、10年後どうなっているか。やはり長期の与信というのは難しいのです。
佐藤委員:建設工事と指定管理者はそもそも違う点があり、指定管理では県民なり市民にサービスができなくなってしまうことが一番の問題です。その辺りについて契約額を超えての損害は支払いできないというふうになったときに、それが本当に保険機能として、有効なのかどうか。もう少し何か工夫がないと、指定管理者制度そのものをカバーする保険制度にはなりえないのじゃないかという気がするのですが、いかがでしょうか。
渡辺様:保険金額には必ず限度額がないと、リスクの管理ができないので、これはどうしても必要になります。通常の公共工事でも、請負金額の10%、もしくは30%というケースもありますが、そこまで保証を手配するという契約になっています。ですからどこまで業者に保証の手配を契約上求めるのかと言うとそこは保険というよりも、契約上どのような定め方をするのかというところになるかと思います。ただ、一般的には公共工事の10%とか30%というふうになっているのが実態だと思います。
佐々木委員:保険契約のタイミングは、基本的には主契約が結ばれた後だと思うのですが、契約前の選定の段階で契約なり仮契約をするということは可能でしょうか。指定してみたら、全然保険会社に相手にされない業者であったということでは困るので。
渡辺様:保証契約の可否だけでなく、その内容で契約できるかどうか、そうした点を含めて審査するのが入札制度だと考えています。また、入札保証保険というものも別にあります。タイミングの問題で言いますと、必ずしも契約した後でなくても、落札をした段階で契約はできます。ただ、契約をすることになっているという前提がありますので、ドラフト等を拝見させていただく形になります。
佐々木委員:入札保証保険となると、保証料はもっと高くなるのでしょうか。
渡辺様:入札から契約までの期間はそう長くないので、その期間の与信ということで言うと、一般的には安くなろうかと思います。
白木委員:当社は実際に履行保証保険のケースがあります。行政から協定を結んだ段階で、要望があり、社内でも協議しましたがうちとしてもいいことだろうということで加入しました。与信審査の決定は割と速くて料金も比較的安かったと覚えています。
渡辺様:与信審査そのものは、継続的に決算書を見て、ちゃんと同じようにビジネスが回っているかどうかを見ていくので、できたばかりの法人や、まだこの事業を始めたばかりだとちょっと難しいです。
広瀬委員:そうすると指定管理者制度の中で積極的にNPO法人だとか財団法人もという話になったときに、ある意味で財産を持たない団体が受けるときに、そちらから否定されるということになってしまうという部分では、ちょっと難しいのかなとも思います。
白木委員:保証金を積むか何か違う形しかないですね。
吉川委員:あとは事務局の参考資料を見ますと、解除の理由も様々ですが、「施設の収支は黒字だが別のところの問題があって、けじめの意味での辞退」というものもあります。こういうのは保険金を支払い難い感じがします。
渡辺様:この場合ですと、一般の契約実務を考えた場合に当然契約を解除します。契約を解除しますと、損害賠償請求をすることになるわけですが、そこで回収できれば、契約上の義務は最終的に履行された形になりますが、倒産なりをして、回収できない場合に初めて発動する形になります。
小川委員長:指定管理では新分野ですが、公共工事については結構実績はあるということですね。その中に与信審査というのが入っているので、適用可能性がないわけではないし、現に使っているケースもあるということですね。だからこれはこれで研究の余地ありということだと思います。
渡辺様:いろんな自治体の協定書を見て、気になるところは、解除の規定など、いわゆる契約の形態をとっているのかという点です。しっかりとられているところと、とられていないところが存在する。あとは期間の長さです。ここはどうしてもやはり長い期間の、特に契約解除されている事業運営機関がほとんど20年とか30年ですので、ここは非常に私ども苦慮しているところです。
横道委員:履行保証はあればいいが、全部付けなければいけないかという問題もあると思います。コミュニティー施設まで一々履行保証をつけることはできないと思います。ただ与信を与えれば一応信用できる会社ということで選ぶ際にプラスの材料にはなるかもしれないですね。
渡辺様:もう一点あるのが、公共工事のように基本的に一定の要件を満たせば全て保証が必要になるという形だとやりやすいのですが、求めるケースと求めないケースがあるという形になりますと、結局求められないケースというのは、いい業者のケースで、不安のある業者のケースだけ保証が求められる。そうなると、この保証のマーケット自体がよくなくなってしまうので、運営が難しくなります。
小川委員長:それでは続いて参考資料1についての御質問等はございますか。
横道委員:理由・背景のところに、経営困難とありますが、会社側に原因がある場合と、もう一つは施設自体誰がやってもうまくいかない施設だったというのと大きく分けて2つあると思うのですが、どういう感じなのですか。
西松研究員:個別案件ごとに違っているというのが正直なところです。会社自体の経営状況が悪くて倒産し、取り消しにせざるを得なくなった事例と、施設自体に問題があって、これ以上赤字事業をやっていられないということで、辞退を申し入れて取り消しになる事例と両方あるというところです。
横道委員:原油高騰の影響等については聞いていますか。
西松研究員:例えば温水プールのような施設ですと、原油価格高騰等で結構水光熱費部分が大幅に膨らんでしまってというような部分があるのではと思います。
白木委員:プールの場合は何を熱源に使うかにもよるのですが、重油を使っているところはやはり直撃する可能性が高い。当時の協定書はこうしたものは、事業者負担です。今年から更新されているケースでは、精算制が圧倒的に多いです。
2. 柏崎市における指定管理者制度の取り組みについて
<柏崎市よりご説明>資料2
横道委員:災害は想定しておらず協定書にはなかったので、甲乙協議でやられたということですが、協定書に書いておいた方がいいという事項は何かありますか。
松谷委員:基本的にざっくりとさせて、最後は甲乙協議だという協定書もありかなとは感じております。
薬師寺委員:緊急時の施設の開館に関するある事例で、台風で危ないから、指定管理業務の範疇ではなかったのですが、夜中も残ってほしいという要望が自治体からありました。もともと公務員ですとそういう災害時出動という規定がありますが、実は指定管理者制度にはない。つまり指定管理業務をやった場合に、我々の職員は見なし公務員かそうじゃないのか。逆に公務員の責任みたいなものをどこまで背負って行かなければならないのかというのは、実は大きな問題だと感じております。確かにファジーなのはいいと思うのですが、ファジーゆえに、責任業務を全うできないという部分もあり、その辺りは我々としては、できたら協定という形でしっかりと線引きをしていきたいと思います。
横道委員:直営施設であれば避難者の対応などを公務員としてやるわけです。だから公務員を派遣したとしても、指定管理者の下で働いている人も何か同じことをやっていたのでしょう。それは指定管理業務じゃないけれど、業務に代えてそういうことをやったというのが実態でしょう。
松谷委員:実は、災害時の体制の中に指定管理施設の対応をどうしようかつくり込もうということで福祉課の方で協議を進めています。しかし、緊急連絡網のようなものをつくったとしても、ほぼ全員が被災していますし、けがもしていらっしゃいますので、連絡網どおりにお願いした指定管理施設の職員の皆様が動いてくれるかどうかというのは、多分無理だろうという結論になっています。
佐藤委員:純民間の指定管理者に災害時に頼んだというようなことはありますか。
松谷委員:温泉を全部開けて無料化してくれということをお願いしました。
横道委員:緊急時に細かな協定じゃないけれど、ある程度の仕切りみたいな、例えば場合によっては本部長の命令下に入れとかいう、そういう義務づけも必要かもしれませんね。 松谷委員:指定管理者側で構築物をつけ足し、利用料金を稼ぎたいというケースが問題になっています。当然私どもの行政財産なので、最終的に撤退されるときに取り壊して持っていってくれという話にはなりませんし、寄附を受けていいのかどうかということです。
白木委員:例えばサウナをつくると100万円の指定管理料がいらなくて、10年でペイできるという場合は、5年の指定管理では難しいですが、東京の某体育館では2カ月休んでも先行投資して、5年で回収しようとして、民間側で投資したケースもあります。ケースバイケースで、話し合いでは5年でも投資できるものはあるかと思います。
薬師寺委員:災害時に、天井知らずのリスクはやはりきついです。だから例えば一定限の範囲を決めておくだとか、ガイドラインみたいなものがあると、非常に我々側としても線は引きやすい。その中で例えば最悪赤字でなくても、利益がゼロぐらいまでだったら、何とか耐えうると思うのですね。構築物の設置に関しては、甲乙協議という部分と、目的外使用と市民サービスの向上というものを、どういうふうに考えていくかということも、非常にこの制度運用が広い形になれば良いのではないかと思います。
白木委員:今回の中越地震で、東北の方は営業を随分とめて、改修工事をやりました。それも指定管理期間が始まっていまして、4月からの2カ月休館して6月から営業してくださいと。ではその2カ月間どうしますかというと、やはり慎重に協議して、その期間は利用料金は上がらないのですが、従業員も2カ月休ませるわけにもいかないので、その保証も含めて相殺を行いました。それはお互いに真摯に話をすれば解決します。天井が取れたというようなケースでは、1回解除していただくかしないと、続かないということがやはりありますので、そういう不測の事態について、規定が必要になると思います。
松谷委員:これ以外にも「施設をやめます。条例を廃止します」と言ったときに、向こうが「何億でもいいから直してくれれば営業できるから直して欲しい」と言われたケースがあります。これは非常に難しい。そういったところも整理しなければならない問題だと思っています。
小川委員長:柏崎市さんでは、地震の際、入浴などは指定管理施設だけでなく、そのほかの公衆浴場みたいなところにもお願いしたのですか。
松谷委員:お願いをしたところもありますし、自主的にやっていただいたところもあります。
小川委員長:地震のような大規模ということになると、指定管理の問題よりも、むしろ震災全体にどう対応するか。民間の皆さんにどう協力してもらうか。その後の保証なりなんなりをどうするかという、ちょっと別の切り口が本当はあるべきなのかもしれないですね。
松谷委員:直営施設の方が動きやすいという面も実はあるのかなという部分があります。
佐々木主任研究員:すみません。最後に一つお聞きしたいのですが、債務負担設定はいつのタイミングで行われますか。
松谷委員:4月1日から営業する場合、前年度の2月、3月議会で設定ということになります。公募の選定は年内あるいは1月ぐらいに終わっていますので、公募の後ということになります。
佐々木主任研究員:そうすると指定管理者の応募者が提示した金額が、そのまま債務負担行為の設定額になってくるという感じでしょうか。
松谷委員:応募者というか、市が支出する指定管理料の額で債務負担行為を設定することになります。
3. 募集要項、仕様書、協定書の関連付け~市川市の事例を参考に~
<事務局より説明>資料3
鈴木委員:市川市の場合は、このほかに指針というのがあり、指針も条例に近い立場になっています。ですから指針に基づいて運用していかないと、議会が紛糾するという形です。 市川市の場合、特に変わったところと言うと、「1団体しか申込みがなかった場合には、再公募する」というのがございます。そのため、公募においては再公募の時間もとっているので、かなり長くなります。あとこちらの方で評価表を載せています。評価表につきましては、これによって採点していくということです。この中でも条例上に載っている一号に当たるとか二号に当たるとかいうところがあります。それは業務によって分かれているのですが、その中でも点数が市川市の平均値以上でなければ駄目だと。総合数値にしても市川市の平均値以上でなければならない。これは一応総合評価的な形で絶対評価として、基本的に委員の意見が全員一致するような形をとっています。当初はそれぞれ委員に点数を付けていただくような形をとったのですが、今は総合評価等が国交省の方から出ており、そちらの方向で評価していった方がいいだろうというような形で、だんだん流れが変わってきています。
横道委員:この総合評価の結果は公表するのですか。また、辞退がでたらどうしますか。
鈴木委員:公表しますが、内部の点数までは公表しません。落札業者は名前が公表となりますが、他の社の名前は伏せた形です。点数は公表していきます。辞退が出た場合ですが、うちの審査会は担当部でやっている審査会と全体的な審査会がございます。部の審査会を再度通して、市の条件を超えているだろうという判断であれば、それで決めていきます。
4. その他
小川委員長:既に終了の時間に近づいているものですから、インセンティブの例は次回に回させていただくことでよろしいでしょうか。ここまでの進捗状況の確認をさせていただきたいと思います。第1回議事概要の最終ページをお開きください。指摘事項ということで、主要論点①から⑩まで羅列をしてございます。
佐々木主任研究員:(1)は事務局資料として①から⑩の論点を挙げさせていただいた事項で、(2)が各委員の方から御指摘いただいた事項です。基本的にこれらの項目に従って進めてまいりたいと思っています。まだ少し議論が不十分なところとか、深掘りしたい論点としましては、(1)では①、②の維持管理費・修繕費、あるいは備品の帰属。このあたりを絡めて深掘りしていきたいと思っております。それから⑤の利用料金制。これもいろいろ運用実態がございます。⑥の印紙税・消費税を含む公租公課の扱い、特に税金の扱い。これについても次回以降取り上げてまいります。あとは一昨年度来扱っております⑧のモニタリング評価。このあたりも次回以降、最新の状況を踏まえながら議論していただきたいと思っております。(2)の各委員から御指摘いただいた事項については、なかなか直接的にというわけでもございませんが、きょうの御議論の中でも間接的に、こういった視点あるいは問題点を御指摘いただいているかと思いますので、こういった視点を適宜踏まえながら、今後も進めてまいりたいと思っております。以上です。 |