1.開催日: 平成21年9月18日(金) 14:00~16:00
2.場 所: 都道府県会館 408会議室
3.出席者:
【委 員】 小川委員長、鎌形副委員長、 大村委員、久保田委員、白木委員、広瀬委員、松谷委員、薬師寺委員、 安田委員、山口委員、横道委員、吉川委員、渡邉委員
【事務局】 ふるさと財団: 水谷事務局長、浅野部長、大濱課長 三菱総合研究所: 佐々木主任研究員、西松研究員
1.委員長挨拶
【小川委員長】 本日は大変お忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。心から御礼を申し上げます。当財団はふるさと融資を20年来実施してきた財団ですが、広く官民の連携をテーマに地方自治体に対しての支援も実施しています。この委員会の目的である指定管理者制度は、民間の方も地方自治体の方でも関心が高いものです。本研究会は、そのような制度のノウハウを蓄積し、また情報の流通をカバーさせていただこうとの趣旨から始まりました。 具体的には法施行の2年目の平成17年度から事例研究会ということで開催しましたが、より実務に即した指針等を検討するため、平成20年度から実務研究会と名前を変えています。 全体として研究会は今年で5年目、実務研究会になって2年目ということですが、メンバーの皆様方の蓄積と大変高い見識でもって、ぜひとも濃密な議論を展開していただきたいと思っています。 去年のテーマは協定書のあり方についてでしたが、今年は募集手続きのあり方について議論を深めたいと考えています。
2.各委員挨拶
3.議事
(1)平成21年度指定管理者実務研究会の概要と進め方(案) <事務局より資料の説明>
【小川委員長】 募集手続きのあり方というのも、地方団体側の切り口から見た場合、結構重要ではないでしょうか。 続きまして、指定管理者制度の動向について、吉川委員の方からコメントをお願いします。
(2)指定管理者制度の動向
【吉川委員】 現在、総務省において指定管理者制度の導入状況に関する調査をまとめているところです。今年の4月1日現在全団体に調査を実施しました。 平成18年の調査では6万1,000施設だったものが今回約7万施設にふえています。その7万施設のうち、民間企業等が指定管理者になっている施設が約3割であり、これは平成18年の調査の時点では2割弱でした。それから、公募によって指定管理者を選定している団体の割合も、平成18年の調査では29%ほどが、今回の調査では約40%となっています。そのほか、損害賠償責任の履行の確保といった点についても、協定等にそうした事項を記載されているという団体が8割に上るという結果が出ています。 一方で、指定を取り消したというケースは、私どものこの調査では、600件ほどです。
<事務局より資料の説明>
【松谷委員】 大学のゼミやシンクタンクの皆さんからのアンケートが多いため、回答する自治体はパニックになっています。現場としては、回答の優先度を判断しているので民間へのアンケートの回答率は低くなってしまいます。
【横道委員】 そういう基礎となるデータが例えば2年に1回とか3年に1回あれば、民間が調査しなくてもそれを使えるということになるのでしょう。国が定期的にやるようにすれば、学生も助かるし自治体の方も助かると思います。 【広瀬委員】 これは総務省さんの調査にも言えることですけれど、三菱総研さんがこの調査をやられた目的は何でしょうか。三菱総研さんがこの調査をされて、この数値を、だれがどのように使って、どのように評価するのでしょうか。 【事務局(佐々木)】 19年度に総務省で指定管理者制度についての調査が公表されていますが、次がわからないので、情報が必要だろうということと、引き続き当社で変化を観測するという意味で実施しました。 それから、指定管理者以外の手法と比べると何か見えてくるかと考えました。そのような2つの目的があって実施したというところが正直なところです。
【広瀬委員】 そうすると、例えばこのデータを見て、横浜市さんが、「うちはおくれているのか」とか「うちは進んでいるのか」とか、「3年前に比べてうちはこういうふうに変わっているんだけれど、全国的なレベルで言うと同じようなトレンドなのか」というような御判断をされるということですか。
【久保田委員】 正直言って気にしています。
【広瀬委員】 ということは、調査をされる方は、そういう影響があるということを前提に、ある種このデータ自体がすごく啓発・啓蒙的なものになるということを頭の中に入れながら調査をされた方がいいと思います。それぐらい注目があるということです。
(3)募集手続きのあり方に関する主要な問題点・課題
<事務局より資料の説明>
【小川委員長】 一つ一つの項目について御議論をいただくというよりも、むしろ今日の段階は、漏れがないかどうかとか、こういうものを取り上げてはどうかとか、自由に御意見、御質問をお願いします。
【渡邉委員】 倉敷市ですが、今度、基本方針を変えるときに小規模施設は、「非公募とすることができる。」に持っていこうと思っています。年間100~200万円といった施設まで、この募集手続きでやると、その募集にかかる費用の方がすごくかかってしまいます。単純に価格だけの競争入札で実施したケースもあります。小規模な施設に関しては、少し見直さなければならないと思っているところです。
【山口委員】 静岡県では、すべての施設について公募が原則という形でやっています。非公募のものは、県の施策と一体性の強いものとか、専門性の非常に高いものについてです。これらは単独指名ということで、従前やっていた外郭団体等の管理者にゆだねるという手法をとっています。 また、非公募についても、公募と同じような手続きをして指定するという手法をとっています。指定管理者制度も2巡目になりましたが、受け皿となる民間企業がまだ育っておらず、公募しても応募が多くない、場合によっては1者しかないというのが現状です。
【松谷委員】 非公募の位置付けについて、市が決めましたというところを外向けに説明しづらいという部分がいつもあります。 それから、昨日付けでガイドラインをホームページにアップし直しましたが公募・非公募について3つの点を改正しました。施設を市直営に戻すという考え方、公募によらない候補者の選定を可能とする非公募要件の追加、指定管理基準額の設定、の3つです。 昨年から並行して悩んでいたのが、いわゆる非公募で取り扱ってきた外郭団体があります。公益法人制度改革に絡めた中で、その部分をどう取り扱っていくのかというところが大きな話題になりました。いわゆる公益認定要件が大分変わってきて、緩和されてきているという部分をどのようにガイドラインに盛り込むのかということで、整理しました。 制度改革に伴って、大きくは2つ改正させていただきました。 一つは、公益認定を取った場合には、非公募にしようというものです。もう一つは、一般財団になった場合の対応が一番大きなところでした。結果的にはそこも非公募としようということになりました。ただし、モニタリングや実績など、相当厳しいチェックをしようというところを一つのハードルとする改正を行いました。 また、社会福祉法人の介護施設等の指定管理も含め、収益性のない事業を公募で実施できるか悩ましいところであります。 それから、スポーツ施設などは、東京であれば収益施設も可能ですが、田舎では完全に教育的な観点から設置された施設ということで、教育委員会の所管になってしまいます。そうすると、教育委員会所管の施設を公募でやって、収益性についての判断がなかなかできないというところを悩んでいるところです。
【久保田委員】 外郭団体の話について申し上げますと、横浜市技能文化会館という労働者向けの施設を運営している勤労福祉財団が、民間企業との公募で敗れ、勤労福祉財団が解散しました。今後も、外郭団体についても何らハンディキャップを与えずに、民間と対等に勝負してもらうというスタンスでいます。 結局、議会をどれくらい関与させるのかということが、かなり大きな問題ではないかと思います。公募・非公募については、前市長の強力なリーダーシップがありましたが、このガイドラインをつくるに当たって議会で5回も議論をしたのは、雇用に配慮するべきではないかというところです。 我々が非公募を決定するときには、市長の判断を踏まえた上で、選定委員会を開きます。横浜市の場合、外部のメンバーだけの選定委員会でオーソライズをとって、議会にかけるというように、3段階でやっていました。議会としては事前に関与したいという意向もありますが、そこまでコストと時間をかけていくことは難しいということがあります。 それから、適切な選定スケジュールについては、今後、選定が重なってくると民間側の対応のキャパシティがどれくらいあるのか。キャパシティがない中で、むやみに公募をしたところで、単純にコストをかけるだけになってしまうかもしれない。そこは民間企業の方々に教えていただきたいところです。 また、募集時に公表すべき文書等についてですが、PFI事業というのは、すべての指定管理施設に当てはめるとすると、そのコストはかなり大きなものになってしまいます。やはり規模によってメリハリをつけていかなければいけないと思っています。 それから応募者とのコミュニケーションについてですが、事前の参入意向の調査といったものを、どのようにやっていくのか。また、倉敷市で実施しているサウンディングのようなものを、もう少し研究して普遍化された形にできないだろうかというのがあります。 それから、地域要件については、議会の方から、強い意見があります。一方で、やはり民間事業者から見れば、当然、地域要件なんかはない方がいいので、その根拠があるとありがたいと考えています。 あとはバンドリングのあり方として、複数施設をまとめて公募するということが、今後、特に横浜のように多数の同種の施設を抱えている場合には課題になってきますので、民間事業者から見てどうなのか。また、それ以外の学識経験者の方から見て、本当に適切なのかどうかコストとメリット・デメリットを含めて検討できればいいと考えています。 【小川委員長】 既存の外郭団体のような法人でやっている場合、雇用問題が起きてしまいます。過去、定員管理を非常に厳しくしてきたので、直営施設でも人を置けないため施設は欲しいけれど、公務員の数をふやすわけにはいかず、外郭団体を活用したという歴史があるわけです。だから、それを今さら、民間と普通に、対等に競争しろと言われても難しいところはあるのでしょう。 また、それは地域によっても違うわけです。横浜市みたいに、手段があるようなところでは、市議会でもそういう議論が趨勢になりますが、田舎だと必ずしもそうではない。また、さらに田舎に行くと、競争者もいないというような状態の場所もあります。 ただ、財団法人も従来のまま非効率でいいというわけにはいかず、一生懸命、横は見ています。だから、一番底までを含めて少しずつは動いてきています。
【薬師寺委員】 選定スケジュールについてですが、5年後、10年後、15年後という未来において、その施設がどうなっていくべきか等を検討し、そしてその未来まで、できたら携わらせて頂きたいと考えて応募していますから、コンセプトワーク、設置趣旨、設置目的など、自治体がその施設をどうしていきたいのかということは、できれば早く公表していただけると非常にありがたいと思います。提案をつくる期間は1カ月でも、その施設のコンセプトをつくる時期が1カ月間というのは、やはり非常に短いと思います。そういう部分をスケジュールに含めていただきたいというのが願いとしてあります。 あとは、募集公告の把握方法という点では、すべての自治体の情報を収集することは非常に困難ですから、どの施設をいつ頃に募集しますといった情報を地方自治体が発信する事が大事だと思います。 地域要件では、チャンスは平等でもその選定の過程の中では地元への配慮はあっていいと思います。あとは、例えば年間運営予算が100万円以下の施設までは地域のしばりをかけるなどの取捨選択があってもよいと思います。 それからバンドリングについては、地域でバンドリングをするのか、施設の設置趣旨をもってバンドリングするのかという課題があると思います。 横浜市では、同じ設置目的を持った施設がたくさんあるのでその設置の性格でバンドリングできますが、地方に行くとセットにしないとグロスメリットがないというバンドリングもあります。 ある地方でやらせていただいた施設では、大きな施設と小さな施設をセットで引き受けました。小規模で民間事業者が管理運営をするという観点では1施設では非常に非生産的なものもありますが、大きな施設で事業性がある施設とセットで公募すれば、小さい施設の管理運営も指定管理者に任せる事ができるというメリットもあるので、そのようなことも考えの中に入れていただければと思います。
【白木委員】 我々民間事業者から見れば、公の施設ですので事業性が余りにない施設には、セットでも手を挙げにくいということがあります。500万円以下ですと、年間で人は置けず事業になりません。サービスの面から考えれば、やはり人を含めた額で、最低1,000万円程度にはなるだろうと思います。 それからスケジュールについて、9月説というのは非常にいいと思いますが、やはり4月スタートは非常に助かる部分もあります。その中で、自治体の中には、12月に公募というものもあって、引き継ぎが2週間しかないこともありました。特にスケジュールとしては質疑応答が非常に大事になってきます。その点では時間をとっていただきたいと思います。 指定管理料の上限を設定している施設が多くありますが、せっかく市場原理で自由競争になる以上は、条例による利用料金、入場料の設定は仕方ないとしても、我々としてはフリーにしていただいたら、もっと独創的な提案もできるのではないかというところです。 また、財団、外郭団体を残すのは、地方性から考えればもっともなことだと思います。ただ、我々民間事業者が入っても、財団の方を採用することもできますし、地域の方をもっと採用することもできます。共存共栄のためには、コラボレーションの形の指定管理者制度が非常にふえていますので、一緒にこの制度を伸ばしていけると思っています。
【久保田委員】 私どもとして守らなければいけないのは、職員個人の雇用と、それから、やはり地域の雇用だと思います。基本的には地域の雇用をどのようにしていくのかという観点から、指定管理者が切りかわったときに職員の雇用を引き継げるような仕組みとして例えばイギリスにおけるTUPEのような形でできないかと思っています。 そこは日本の労働法制上、少なくとも政策アジェンダになり得る可能性というのも出てくると思うので、PPPを進める限りは、雇用の移転の問題というのは必ず出てきます。指定管理でそういった提言ができれば、日本全体のPPPを進めるための礎にもなり得ると考えています。
【広瀬委員】 先行しているイギリスにおいて、会員数が2万人規模のエジンバラスポーツというところを研究したことがありますが、そこでは施設を引き受けるところが希望者を全員雇用するのです。そのときに、転籍の出戻りが可能なのです。つまり、受けたところが破綻する可能性があるわけですが、破綻した場合でもサービスは継続しなければいけない。そうすると、前従業員がそのまま市に戻ればサービスは継続できますので、3年以内に破綻した場合は出戻り可能ということをやっていました。さすがにユニオンが強いイギリスだというのを思いました。 それから現実問題として、千葉ロッテが指定管理者制度を受けるときに、そういう提案をさせていただきました。転籍希望者は1名でした。そこは第三セクターで株式会社だったのですが、千葉県のほかの指定管理者を受けるべく企業努力、自助努力でやっています。
【小川委員長】 やはり首都圏などの都会では雇用流動性が多少あるのと、田舎へ行くと、そんなことすら全く考えられないというのとがありますから、そこは幅があるものとして考えなければならないでしょう。
【大村委員】 雇用の引き継ぎということで、従前の財団から転籍で受け入れたという実績はございます。ただ、給与が違うケースが多いです。こちらは価格を伴った提案をしますので、こちらが出す額が最初にもらっていた額よりも低く出てしまいます。それを本人が納得して、それでもその施設で仕事をしたいと思えば来てもらえますが、スムーズには行きにくいということです。 それから、組織の文化が全く違うところです。最初のころに、かなりの年齢の方をお受けしたときには、終業時間30分前に机の上を全部片づけて帰る支度をして待っていらっしゃるという方が本当においでにいました。同じチームの中で仕事をするのがきついということは、普通の民間会社以上にあると思います。ですから、絶対お受けできますとも言えないという難しさはあります。 ただ、公共の文化施設で働ける職というのは、過去はそんなになかったと思います。民間の指定管理者がふえて、財団も解散するところもあると、そこで今まで企画をやっていた人が、別の会社に行って違う文化施設でその企画の仕事をしているなど、流動性は出てきているという感じはします。 ただ、地方に行くと、次に行く先がなかなかないと思います。あちこちで募集をかけるときに、首都圏はそれなりの経験を持った方がポストに対して非常に多く集まりますが、地方に行くとキャリアがほとんどないという方が多いという実態がありますので、なかなかマッチングしないというのが実感としてあります。 公募・非公募については、一民間事業者としては、自治体の御判断ということで、こちらから何とかという感じではありません。公募になった施設の塊をマーケットとして見ているという立場にすぎないので、そこに関しては、特にこちらからどうという意見はありません。 また、スケジュールについては、会社で何施設立ち上げられるかということが全部を決めます。時期をずらしていただくと、確かに平準化されると思う反面、新しく採用する人の、採用のしやすいタイミングとしては、3~4月が一番都合がいいというのがあるので、一概にメリットについては何とも言えないという感じはします。 せめて公募のスケジュールだけは、少し散らしていただけるとこちらも手は挙げやすくなると思います。大体、8月とか9月に募集をかけるというのが妥当なスケジュールなのかもしれませんが、せめてアナウンスだけは実施していただくなどすると、対処ができるかという気はします。 地域要件については、余り参入障壁にはならないと私は思っています。会社にその意思があれば、事業所を設立すればできます。本当にそこのビジネスがしたければ、会社をつくります。それからグループで応募するときに、地元の会社に代表企業になっていただければ、入っていく道は幾らでもあります。 実際にそこでビジネスをするときには、ほとんど現場の人は地元で雇用しますので、どこの会社が本体であろうと、働いてくださる方の職というのは、確実につくります。ですから、地元の雇用が奪われるというような御心配は、ちょっと違うのではという気はしますし、その施設が、もしも利用料金制で収益の高い施設であれば、そこに税金を払うわけですから、ちゃんと地元への還元は、どこから来たとしてもできるのではないかという気はします。
【渡邉委員】 倉敷市で地域要件を設定するか否かを考えたときに、とある市議会議員さんから「東京の企業がこっちへ来てやってもらった方が、市民税的には得じゃないのか?」という御質問があって、市民税課の職員と一緒に、シミュレーションを幾つかしてみたことがあります。 市民税だけで考えると、東京の企業に来ていただいた方が、得という結論を得ました。 なぜなら、事務所開設により均等割額が増えることと、東京でしっかり儲けた分の法人税割額が本社と支店の人数割りで計算されるためです。 また、雇用もほとんどは地元の人ばかりなので、得になる部分が多いと思います。
【横道委員】 まず、指定管理者制度が導入されたときに、直営は悪で、全部指定管理者にしなければならないのではないかというムードがあったのですが、そこは落ち着いてきたということだろうと思います。判断基準といった場合、安価でより良質なサービスが提供できるかどうかというのが、制度上の話だと思います。 ただ、それを具体的に適用する場合に、指定管理者制度になじむ施設、なじむ地域、なじむ規模みたいなものがあるのではないかということがある程度わかってきたというのが一つです。 それから、直営でそれぞれのパーツを事務委託すれば余り変わらない。かえってその方が簡便であるケースもあるということです。 だから、直営でやって完全に丸投げするということはないにしても、各パーツの相当な部分を民間に委託する。そのような場合との比較考量もなされ、特に公権力の行使など、民間の人に任せるよりもやりやすい場合があるということで、その段階まで来ているということが一つです。 それから、公募・非公募については、指定管理者制度を導入するということになれば、これは先ほどあった外郭団体とかいろんな事情がない限り、原則は公募の方がいいのではないかと思います。コミュニティ施設とか、いろいろな政策的な理由がある場合を除けば、基本的に公募であるという考え方でやった方がいいという感じはしています。また、まだまだ民間に開放できる部分の余地もあるかという感じもしています。
【小川委員長】 もともとの制度には、「公募すべし」と書いていないわけですが、制度設立当初はどのように想像していたのでしょうか。
【吉川委員】 管理委託している第三セクターとか財団が大変になるという想像はありました。公募をした方がいいだろうということは、メッセージとして出しましたが、それは説明責任の問題であって、非公募でやることについて説明がつけばよいということは、間違いなく申し上げていました。当時、民間にできることは民間にというスローガンが行き渡っていましたので、そのように受けとめられたのではと思います。
【山口委員】 指定管理者制度について、静岡県では民間ができるものは民間にやってもらうという形で進めています。そのためには、公平性が大事になってきますから、やはり公募が原則であると思っています。 ここで公募・非公募の判断基準ですが、行政と一体性の強いものや専門性の高いものについては、本当に民間ができるかという不安があります。公の施設を利用する方々の中には民間への信頼感は、あまり高くない場合があります。民間ですと、撤退する場合もあるということが大きな不安です。行政としては公募・非公募の扱いを決め、本当にできるかどうかといったことを見据えてやることが大事です。 静岡県では、文化施設関係は非公募になっています。これは、県の行政との一体性、専門性というものが高く、受け皿は今のところないといった考えです。公募の代表例としては、公園の管理関係があります。その結果、今までの公園の管理を行っていた外郭団体は、解散いたしました。民間でしっかりと公の施設の管理ができるかという点が、公募・非公募の一つの判断基準になるのかと思っています。 次にスケジュールの関係については、2月議会の指定では、引き継ぎ関係で非常に難しくなりますので、12月議会で指名するようにしています。そうすると、募集は8~9月にならざるを得ないので仕方ないところもあるのかと思っています。 なお、静岡県の事例では地域要件を入れていません。ただ、例えば地域に支店等があった場合は、この判定の点数については、プラスアルファがつくと思っています。やはり指定管理者が管理する施設は住民の方々に関係の深い公の施設ですから、地域の方に安心して使っていただけるというのが一つのポイントになりますので、地域に拠点がないというのは、判定で高い点数をとるには厳しいという気がします。
【白木委員】 実際に横浜市では、4月に公募要項が出て、5月・6月で選定というので、その後ゆっくり協定書を結んで、実際は9月議会という感じになった例もあります。いろんな方法があると思いますので、もし可能であればお考えいただきたいと思います。 【山口委員】 これから2回目、3回目の指定管理者になりますので、6月議会で対応可能なところも出てくると思います。少なくとも第1回目のときは、要項作成や、もっと言えば設置条例の関係もあり、6月に設置条例改正で9月に要項策定後に公募、選定という流れとなります。また、選定委員会などを設けて、指定管理者を選びますので、そういった準備等も含めると9月頃に公募するというのは、なかなか動かせない線かもしれません。
【松谷委員】 モニタリングの結果を集約して分析してからとなると、どうしても4月からの決算期を考えると6月末になってしまいます。そこから中身を見て判断するとなると、確かに9月というのは相当厳しいというのはあるかもしれません。
【白木委員】 理想としては、プロの会社もおられますから、モニタリングが早く出てくれば、1カ月寝かせておいていただいて9月議会へとなる。そういうズレが少し発生したらいいかと。
【山口委員】 静岡県では、2月議会での指名はもうやめてくださいと言っています。2月議会の指名ですと、協定書までの引き継ぎ等々が、3月だけという短い期間でしっかりできるのか。それこそまた、協定までの過程についての説明責任の関係で問題だということを言っていますが、まだ新しい施設では、9月に条例改正を行い、12月頃の公募にずれ込み2月議会での指名となるものもあります。
【鎌形副委員長】 先ほどの総務省の調査で非常に興味深かったのは、平成18年のときに6万1,000施設だったものが、今回、7万施設になったということです。これは、いわゆる直営施設だったところが9,000も指定管理者に変わったということです。想像するに、直営施設が多かった図書館みたいなものが置きかわっているとか、地方の小さい市町村が直営しかやっていなかったところが指定管理者制度にしたとか。直営施設を導入するというのは、どういう判断だったのかなど、実態を見ながら少し考えるとおもしろいということが一つ。 それから、導入・非導入ということを考える前に、公共施設そのものが本当に必要なのかという議論がないといけない。何でも指定管理者にすればいいということではなくて、必要ないものは廃止するとか、そもそも施設そのものを民間に渡してしまった方がいい場合とか、そういう議論も多分必要だと思いますので、そういう事例も少し見ながら議論ができるといいと思っています。
【松谷委員】 補足ですが、公の施設の見直しも実は並行してやっています。テクニックの話になってしまいますが、直営の方がいいという施設があった場合、館長はこちらの方で兼務をかけ中身はすべて一部業務委託でつないでしまうといったやり方はできないだろうかと。例えば、博物館の学芸員さんあたりをコントロールしようとか、あるいはコミュニティセンターなどで、地域の中に根差しているような独特のところを指定管理施設とするのかなど、もう一度考え直そうという作業をしています。そこで、ある意味うちの中では、指定管理者制度導入施設が減りつつあるというところもあります。
【小川委員長】 中身がよくなることが一番大事です。のべつくまなく全部指定管理者を入れるとかではなく、いい施設になるようにという前向きの議論をこれからもやっていただければと思います。
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